勝ち残る企業のWebプロモーション

「効果測定」でWebプロモーションを完結させるWebPRの仕掛け方(2/2 ページ)

» 2009年10月15日 17時00分 公開
[太田滋(ビルコム),ITmedia]
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定性的効果の測定で分かること

 定性的効果の測定には、「ポジティブな記事数/記事比率」と「商品体験の感想」の情報を集めるといい。

 ポジティブな記事数は、WebメディアやCGM(ユーザー参加型メディア)でWebPRを実施した商品について、肯定的/中立的/否定的な視点で書かれた記事を合計したもの。ポジティブな記事比率は、総数に占めるそれぞれの記事の比率のことだ。

 この指標を分析すると、WebPRを仕掛けた商品やその企業が、消費者にどれだけ受け止められたかが分かる。これは企業や商品に対する支持者数と支持率を把握することと同義であり、発信した情報の訴求ポイントを改善する手がかりを得ることが可能だ。

 これらの数が多ければ、WebPRは成功しているといえる。だが、商品の支持者数や支持率が少なければ、商品の対する反響の大きさという面では及第点ととらえておこう。

 商品体験の感想は、主にCGMで書かれた商品記事の感想を分析するものだ。企業のカスタマーサービス調査に近い。この結果からは、商品のどの点が評価されているのかという「消費者の本音」がつかめる。ここから、WebPRで訴求した特徴が的確に消費者に伝わっているかどうか、訴求したポイントが的を射ていたかなどを振り返り、次のWebPRにつなげていくことができる。


 6回の連載で、WebPRが求められてきた背景やどのような戦略を立てればいいかを紹介してきた。企業が商品やサービスを幅広く消費者に伝えるには、消費者のWeb上での購買プロセスに応じて情報を発信し、メディアに情報を取り上げてもらうための工夫をしなければならない。

 最後に、企業のプロモーション活動はWeb上だけでは完結できないということを付け加えておきたい。業種や掲げた目標によって、効果的なメッセージの届け方や情報を伝えるメディアの選び方は異なってくる。今、企業のマーケティング担当者に求められている力は、消費者の属性や心理、状態に応じて、適切なコミュニケーションプランを組み立てる力なのである。

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著者プロフィール:太田滋(おおた しげる)

ビルコム 代表取締役兼CEO。PRの戦略構築から企画実行までを手掛けるPR会社としてビルコムを2003年に設立。2008年にはWebPR関連のサービスを提供しており、相模ゴム工業のWebキャンペーン「LOVEDISTANCE」なども仕掛けた。著作にはWebPRの実践手法をまとめた書籍「WebPRのしかけ方」がある。


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