IBM、堅調な第3四半期決算で通年予測を上方修正

IBMの7〜9月期決算は2けた台の増益で32億ドル。ソフトウェア市場ではOracleから、ハードウェア市場ではSunとHPからシェアを奪ったとしている。

» 2009年10月16日 09時06分 公開
[ITmedia]

 米IBMが10月15日発表した第3四半期(7〜9月期)決算は、売上高は前年同期比6.9%減の236億ドル、純利益は同14%増の32億ドル(1株当たり2.40ドル)だった。1株当たり純利益はThomson Reutersがまとめたアナリスト予測2.38ドルを上回った。

 地域別では、北南米地域の売り上げは5%減(為替影響を排除すると4%減)の99億ドル、EMEA(欧州・中東・アフリカ)地域が12%減(同6%減)の78億ドル、アジア太平洋地域は前年同期と変わらず(同4%減)52億ドルだった。

 部門別の売上高は、テクノロジーサービス部門は4%減(為替影響を排除すると2%増)、ビジネスサービス部門は11%減(同11%減)、ソフトウェア部門は3%減(同横ばい)だった。システム&テクノロジー部門は12%減(同11%減)。同四半期中の新規サービス契約総額は118億ドルで、うち13件は1億ドル規模の契約だった。10月に入って既に3件の新規契約を獲得しており、その総額は10億ドルになるという。

 全体の粗利益率は、サービスおよびソフトウェアにおける利益率改善により、前年同期を1.8ポイント上回る45.1%だった。

 サミュエル・J・パルミサーノ会長兼CEOは「ビジネス品質の向上を目指す当社の長期戦略により、優れた業績を発表することができた。またソフトウェア、ハードウェアの両市場でシェアを拡大した。引き続きSmarter Planetソリューション、クラウドコンピューティング、ビジネス分析分野への投資を続け、このペースで2010年には1株当たり10〜11ドルの利益を目指す」と語った。また決算発表後の電話会見で同社のマーク・ローリッジCFO(最高財務責任者)は、ソフトウェア市場で同社のWebsphereが3%のシェアを米Oracleから奪ったとし、ハードウェア市場でも「米Sun Microsystemsと米HP(Hewlett-Packard)から市場を奪いつつある」と語った。

 2009年通年の利益予測は前期の発表より15セント引き上げ、1株当たり9.85ドルとした。

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