米LifeSizeは持ち運びが可能な小型のHDビデオ会議システムなどの新製品を開発した。日立ハイテクノロジーズが発売する。
米LifeSize Communicationsと日立ハイテクノロジーズは10月19日、持ち運びが可能な小型のHDビデオ会議システム「LifeSize PassPort」と、同時8拠点接続が可能な「LifeSize 220」シリーズを発表した。日立ハイテクノロジーズが11月以降に順次発売する。
LifeSize PassPortは、毎秒30コマの水平解像度720プログレッシブ(720p)映像と同時4拠点接続に対応した、SOHOや拠点向けのHDビデオ会議システム。接続装置は幅20.6×奥行き12.1×高さ3.3センチメートルの手のひら大のサイズで、持ち運びを可能にした。
使用帯域は1〜2Mbpsと低帯域環境でも高解像度にビデオ会議が行えるほか、Skypeにも接続できる。カメラは固定型もしくは上下移動(パンチル)型の2種類に対応する。
LifeSize 220シリーズは、毎秒30コマの水平解像度1080プログレッシブ(1080p)と同60コマの720pに対応し、同時に最大8拠点まで接続できる。利用規模により、大規模環境向けの「Room 220」と、中規模向けの「Team 220」、少人数グループ向けの「Express 220」の3システムをラインアップする。
製品価格は、PassPortの固定型カメラセットが39万8000円、同パンチル型カメラセットが49万8000円、Room 220が280万円、Team 220が200万円、Express 220が99万8000円(いずれも税別)。2社によれば、同等機能を持つ従来製品に比べてPassPortでは半分程度、Team 220では3分の1程度の低価格化を実現したという。
LifeSizeのグレッグ・マロイCEO兼共同創業者は事業戦略について、「2007年以降の原油高や金融危機で出張コストの削減が企業の経営課題になり、代替手段となるビデオ会議システムのニーズが年率15〜20%で成長している。今後は低価格と高性能を両立させた製品で、SOHOから大手企業までの広範なユーザーをカバーする」と話した。
日立ハイテクの日置範行ITソリューション営業本部長は、新製品が国内でのHDビデオ会議システム市場の拡大につながるとの期待感を表し、「現在15%程度とみられる当社シェアを20%に高めたい」と述べた。特にPassPortは、ビデオ会議システム自体の導入が少ないという従業員数100人以下の中小企業の市場開拓につながるという。
同氏はまた、低価格化によってHDビデオ会議システムを従来と同等規模の予算でより多くの拠点に展開できるとも説明している。
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