総合決済ソリューション企業を目指すJCBがデータウェアハウスを刷新Teradata PARTNERS 2009 Report(2/2 ページ)

» 2009年10月23日 07時00分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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データウェアハウスに集約されているデータ群

 基幹システムの更改に伴い、情報系システムも刷新した。右の図のようにJENIUSをはじめとするさまざまな業務システムからカード会員の属性や利用履歴をTeradataのデータウェアハウス「J-MARK」に集約し、日次の計数管理はもちろん、顧客の分析、新サービス/新キャンペーンの企画立案、あるいはダイレクトメール送付のための条件抽出などに活用している。

 例えば、顧客の分析では、利用履歴から利益に貢献している優良顧客をしっかりと把握したり、最適な与信を設定するのに役立てられているという。

 「データ容量は約7Tバイト、フランチャイジーや受託先も含め約4500人が利用し、月間の分析依頼数は6万に上る。今やデータウェアハウスは、JCBのビジネスにとって欠くことのできないものとなった」と樋口氏は話す。

 同社は1995年以来、Teradataを活用しており、高い安定性や拡張性、データの参照/検索の優れた処理性能を評価し、J-MARKの刷新でも引き続き採用された。

 今や一人の顧客が複数のカードを持つ時代だ。かつての情報系システムでは、情報管理の基本単位が「カード」だったが、顧客を正確に理解するには、基本単位を「人」に変える必要があった。このようなデータベース構造の変更も、JCBでは上流段階からユーザーを巻き込み、部署を超えた横断的な会合を重ねることで、その周知を図ったという。

 何十回にも及んだ横断的会合では、ほかの部門の分析手法も新しいナレッジとして全社で共有できるなど、さまざまな成果があったという。

 「今後、システムとしては複数ある情報系のデータベースをTeradataで統合し、コスト削減を図るほか、マーケティング業務の側面ではさらなる顧客理解のため、データベースを再設計するほか、ユーザー教育にも力を入れていきたい」と樋口氏は話す。

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