“物言う投資家”アイカーン氏、米Yahoo!の取締役を辞任

MicrosoftによるYahoo!買収騒動のさなかにYahoo!取締役に就任したカール・アイカーン氏が、Microsoftとの広告提携を締結した現在のYahoo!には活動家的な取締役は必要なくなったとして辞任を表明した。

» 2009年10月26日 14時14分 公開
[ITmedia]

 著名投資家のカール・アイカーン氏は10月23日、米Yahoo!の取締役を辞任すると発表した。同氏は取締役会に対し、現時点では(同氏のような)活動家的な取締役は必要なく、また同氏自身は注力すべき企業がほかに多数あると、辞任の理由を説明したという。

 取締役会にあてた文書の中で同氏は「Yahoo!の混乱期に取締役に就任し、キャロル・バーツ氏のCEO就任とそれに続く米Microsoftとの提携締結という重要な決定に大きな役割を果たせたことを誇りに思う」と語った。

 MicrosoftとYahoo!の株を保有するアイカーン氏は、2008年2月にMicrosoftがYahoo!に買収提案を行ったことに端を発した買収劇で大きな役割を果たした。5月にこの提案が物別れに終わった後、同氏はYahoo!株を6000万株取得して取締役10人を推薦、委任状争奪戦を仕掛けたほか、7月にMicrosoftと合同での分割買収の提案を行った。Yahoo!と和解して同社取締役に就任したのは8月。11月にはジェリー・ヤンCEOが辞任し、2009年1月にキャロル・バーツ氏がCEOに就任した。バーツCEOの下、7月にMicrosoftとの検索事業に関する10年契約が締結された。

 「キャロルは素晴らしい仕事をしているし、Microsoftとの取引は長期的な利益をYahoo!にもたらすだろう。その可能性をまだ理解していない人が多いが」(アイカーン氏)

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