エクストリーム ネットワークスは、企業および通信事業者向けスイッチの新製品2機種を発表した。運用性向上や仮想化を活用したコスト削減を支援するという。
エクストリーム ネットワークスは10月29日、スイッチの新製品2機種と事業戦略について発表した。運用性向上や仮想化を活用したコスト削減を支援する取り組みを報道向けに説明した。
冒頭で事業戦略について説明した浜田俊代表は、従来から注力する企業向け市場に加え、データセンターおよび通信事業者向け市場にも注力する考えを表明した。運用性向上や仮想化環境の活用をコンセプトにした製品OSの「XOS」がクラウドコンピューティング環境に適するという特徴を訴求し、これらの市場で同社の立場を強化していく考えである。
XOSの特徴を説明するデモでは、仮想マシンを異なるサーバ間で移動させるマイグレーション操作をスイッチ側が認識し、VLANやQoS、ACLなどの設定を移動先へ自動的に反映させる様子を紹介した。同機能はバージョン12.3でサポートされ、VMwareやMicrosoft、Citrixなどの環境で実行できる。
「コスト削減の1つの方法として安価な深夜電力の利用がある。この機能を使えば、日本とブラジルにデータセンターを所有している場合に、日本が昼間なら仮想マシンをブラジルのセンターに移動させて運用し、日本のセンターをスリープして電気コストを削減できるだろう」(浜田氏)
発表した新製品は、企業システム向けとなる「BlackDiamond 8500」と、通信事業者向けの「同20804」の2機種。いずれも上位モデルと共通のモジュールを利用できるようにしつつ、搭載可能なモジュール数を縮小した。BlackDiamond 8500は1Gbpsのネットワーク環境となる中小規模システムに、同20804はイーサネットスイッチとしての利用に適しているという。
同20804では最大480Gbpsでの運用に耐える設計で、将来導入する予定のモジュールを追加するだけで100Gbpsでの運用が可能になるという。製品担当エンジニアの栗山丈史氏は、「上位モデルの20808に比べてスロット数は半分(4スロット)だが、拡張性を伴った小回りのきく製品」と紹介した。
併せて同社では米Motorolaと提携したことを明らかにし、無線LANのアクセスポイントとコントローラ製品について米MotorolaからOEM供給を受けることになったという。新製品の発売と同時に、ワイヤレス製品もラインアップを一新する。提携では技術協力も含まれ、今後は米Motorola製品とBlackDiamondの統合運用などを目指すという。
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