「Windows phoneで稟議決済を」――サイボウズ、2010年はスマートフォン事業に注力

サイボウズがスマートフォン事業に注力する。グループウェアに入力した予定などを同期し、スマートフォンから確認できるアプリケーションを3月末に提供する。iPhoneやAndroid搭載端末への対応も進めていく。

» 2010年02月08日 17時51分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 サイボウズは2月8日に記者会見を開き、大規模向けグループウェア「サイボウズ ガルーン 2」のスケジュールなどをスマートフォンから閲覧できるようにする同期アプリケーションを3月末に発売すると発表した。社内メールを1画面上に集約して表示したり、各種稟議を決済したりできる機能を提供する。ガルーンシリーズを既に導入している「500〜3000人規模の企業の部長以上」(青野慶久社長)向けのアプリケーションとしている。

image サイボウズモバイル KUNAI for Windows phoneの画面イメージ(出典:サイボウズ)

 新たに発売するアプリケーションの名称は「サイボウズモバイル KUNAI for Windows phone」。ガルーン 2内のスケジュールや電子メール、アドレス帳などをWindows phoneから閲覧できるようにする。WordやExcelといった添付ファイルの表示にも対応した。

 目玉となる機能の1つが、従業員同士でやりとりをする「社内メール」機能だ。複数がやりとりする社内メールを1画面上で表示するインタフェースを採用。電子メールで社内連絡をする際に起こりがちな返信忘れや閲覧忘れを解消する。「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)で便利に使える」(モバイル戦略部 部長代理 中光章氏)ように作り込み、新しい画面を読み込むことなく数回のタップで必要なメールを見つけられるとしている。

 稟議や苦情相談などの決済をする「ワークフロー」機能にもこだわった。申請された稟議の内容をスマートフォン経由で決済できるのが特徴。「上司がいなくて決済ができないという問題を解決する。スピード経営にもつながる」(中光氏)

 サイボウズモバイル KUNAI for Windows phoneが対応するガルーン 2のバージョンは「2.5.4」、スマートフォンのOSはWindows Mobile 6.1 Pro以上。

 1ユーザー当たり1500円。3月末までに発売する。「100人の企業が携帯電話とデータ通信カードを使う場合と比べ、KUNAIを使うと年間300万円程度減らせる」(サイボウズ)とコスト効果を試算している。「ガルーンを導入している約2000社のうち、5%の企業に使ってもらいたい」と青野社長は話す。

 ガルーンに入力した予定や電子メールを同期し、BlackBerryから閲覧できるアプリケーション「サイボウズモバイル Sync for BlackBerry」も併せて発表。3月末までに提供するほか、今後はiPhoneやAndroid搭載端末からも閲覧できる同期アプリケーションも開発していく見通しだ。また主力のグループウェア製品「サイボウズ Office 8」にも対応したアプリケーションも「(2010年の)夏ごろに提供する」としている。スマートフォンをはじめとするモバイル事業への注力ぶりがうかがえた。

2010年に新製品の提供を明らかに

「KUNAIは生産性の向上につながる」と話す青野社長 KUNAIを使うことで、すき間の時間に稟議決済の承認などが可能になる。青野社長は「KUNAIは生産性の向上につながる」と話していた

 青野社長は記者会見で、2010年中にグループウェア関連の新製品の提供を予定していることを明らかにした。現在サイボウズはOfficeやガルーン、マイクロソフトとの協業によるSharePoint対応のグループウェアなど複数の製品ラインを持つが、これらとは別製品になるという。

 青野社長は新製品について「スケジューラなどの機能を持つグループウェアとは異なる製品になる予定。業務により特化し、(チームの)共同作業を支援するグループウェアになる」と示唆。具体的な機能や製品の内容は未公表としている。

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