GoogleがJPEGに代わる画像フォーマットとしてVP8技術を応用した「WebP」を発表。Webページの65%を占めるという画像を圧縮することでWeb高速化を促進する狙いだ。
米Googleは9月30日(現地時間)、新たなオープンソースの画像フォーマット「WebP」を発表した。Webに掲載する写真などの画像サイズを大幅に縮小でき、Webサイトの読み込み速度を向上させるという。開発者向けプレビュー版がGoogle codeのサイトからダウンロードできる。
Web高速化を目指す同社は、これまで高速化のためのさまざまなツールを投入してきた。ユーザーのWeb体験を遅くする主な原因はWebを構成する画像の読み込み速度にあると考え、新フォーマットの開発に取り組んだという。Googleによると、画像は現在、Webページを構成するバイトサイズの65%を占めている。
WebPはJPEGと同様に、画質を犠牲にして圧縮率を上げる「lossy」なフォーマット。Googleが2009年のOn2買収で獲得し、オープンソース化したビデオ圧縮技術VP8を流用している。また、RIFFベースの軽量な画像コンテナを採用した。このコンテナにより、ページ当たりのオーバヘッドはわずか20バイトになるという。実際にWeb上の(ロスレスなPNGやGIFの画像も含むがほとんどがJPEGの)画像を100点ピックアップしてWebPフォーマットで画質を保ったまま再エンコードしてみたところ、平均して39%ファイルサイズが縮小したとしている。
Googleは同フォーマットの普及を目指し、Webオーナーに向けて変換ツールも提供。また、WebPをネイティブにサポートしてもらうよう、Webブラウザ企業やWeb開発コミュニティーに働き掛けている。Webブラウザが同フォーマットをサポートしなければWeb上でこのフォーマットの画像を表示できないが、同社はWebKitでネイティブサポートするためのパッチを開発しており、近くGoogle Chromeで対応するとしている。
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