本が出版されてしばらく経って、絶版や品切れ重版未定という事実上の絶版状態になっていても、契約の有効期間が切れる前に、契約終了の旨の文書を出してなければ自動的に契約が続いているわけです。その場合、自分で電子出版したくても、出版社に相談しないといけないことになります。
国内でも専用端末などが登場するなど、ようやく動きを見せ始めた感がする電子書籍。海外では、ユニークな商法が登場している。佐川明美氏「佐川明美の「シアトルより愛を込めて」」の新刊の電子書籍を$1で手に入れたい? なら今サインアップして!で紹介された事例は、安く本を購入できるわけだが……いわゆるフラッシュマーケティングの一種といえるだろうか。日本ではこのようなことができるかどうかは、未知数だ。
オルタナブロガーも電子書籍に挑戦している。高橋誠氏「点をつなぐ」の電子出版にチャレンジは、以前、出版したが絶版状態である書籍を、電子出版したという。体験談なので参考になる。ただし、書き下ろしならともかく出版社より刊行した書籍の場合は、一筋縄ではいかない。
永井孝尚氏の「オルタナティブ出版」を始めます(その1) なぜ、「オルタナティブ出版」なのか?の中で、商業出版の場合、「出版を実現したとしても、その後に問題があります。出版した著書は、著者個人が全権利を持っている訳ではありません。版権は出版社が持っています」ということに触れ、「実際には増刷も絶版もせず、版権だけを持ち続けるケースも多い」と言及している。これを受けて、高橋誠氏の絶版状態の著書を電子出版したいときに出版社と交渉する方法では、実際にどのような契約があり、どのような交渉をすればいいかが書かれている。
出版社が電子書籍を発行するケースも増えていき、誰が主体となって、どのプラットフォームで、価格設定は……と、さまざまな取り決めを明確にしなければならない。これらについては、次のエントリーも合わせて読んでほしい。
ブロガー | ブログ | 電子書籍の収益考 |
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佐々木康彦氏 | 「平凡でもフルーツでもなく、、、」 | 電子書籍が歓迎されない理由 |
成井秀樹氏 | 「なるいのDRM進化論」 | 電子書籍の価格を誰が決めるのか? Agency Model問題の本質は? |
「ご専門は?」とお訊きすると、「何でもできます」という答えが返ってくることがあります。でもこれは結局、「何でもできます」=「何も専門分野を持っていない」=「自分には、『売り』がない」と言っているのと同じだと思うのですよね。
米持幸寿氏「テクノロジーと希望」の世の中ってむずかしいは、なかなか考えさせられるエントリーだった。そして、米持幸寿氏の言う「組織の中で『自分を持つ』ことの難しさ」だが、その答えは永井孝尚氏の「何でもできます」は、言わないようにしようの中にあるような気がした。
「ご専門は?」と聞かれて答えに窮してしまうことはないだろうか。その結果、「何でもできます」というようなことを言ってしまう。「何でもできます」=「誰でも出来ることしかできません」と、相手に受け取られてしまう」。
永井氏は、「「ご専門は?」と訊かれた時は、「何でもできます」は言わないようにして、具体的な「自分しかできない『売り』を言えるようにしたいですね。できれば、誰も手がけていない『ニッチトップ』が理想です」と言う。そしてこれは、あらゆるビジネス分野に当てはまる。
以上、2月10〜16日にかけてオルタナティブ・ブログへ投稿されたエントリーの中から、筆者が気になったものを選んで紹介させていただいた。本稿からオルタナティブ・ブログに興味を持たれたならば、ぜひほかのエントリーにも目を通していただきたい。
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