鳥取県下の自治体、VCE連合のクラウド基盤でエネルギー消費の90%削減を狙う導入事例

鳥取県情報センターが構築する鳥取県下の自治体向けクラウド基盤にVCE連合のプライベートクラウドパッケージ「Vblock」が採用された。2010年9月から稼働している。

» 2011年05月16日 18時25分 公開
[石森将文,ITmedia]

 VCE連合としてアライアンスを組むシスコシステムズ、EMCジャパン、ヴイエムウェアの5月16日の発表によると、鳥取県情報センター(昭和44年に設立された財団法人を基とする民間企業。現在は株式会社として運営されている。以下、TIC)は鳥取県をはじめ同県下の市町村や企業向けに提供するクラウド基盤に「Vblock」を採用した。既に2010年の9月から稼働している。

 TICの取り組みは、鳥取県が業務の効率化、経費削減および県内のIT産業振興のためにプランした「鳥取県情報システム全体最適化計画」によるもの。TICは県内の各自治体向けに業務システムの構築やサポートを行ってきたが、仮想化技術によるサーバ集約を通じ、より業務効率を向上したりコストを削減したりする検討を進めてきたという。

 また、住民情報を扱うため当然のことだが、高いセキュリティおよび可用性と、将来のシステム統合に対応できる拡張性も求められていた。同時にTICとしても短期間でのビジネスの拡大を検討していたため、諸条件を満たすものとして候補に挙がったのが、クラウド型のソリューションであったという。インフラの統合による省エネルギー化も効果として挙げている(VCE連合による発表では「90%の削減効果」としている)。

 今回TICが採用したVblockは、VCE連合各社が有する仮想化/ネットワーク技術をパッケージとして統合したプライベートクラウド基盤製品だ。各コンポーネントは1つの管理ツールからコントロールでき、またサポートもVCE連合各社でシームレスに対応する。

 TICが導入したコンポーネントを具体的に挙げると、シスコのサーバ製品「Cisco UCS」およびネットワーク製品の「Cisco Nexus」と「Cisco MDS」、EMCのストレージ製品「EMC Celerra」、およびヴイエムウェアの「VMware vSphere」となる。これらは10台の物理サーバ/86台の仮想マシンといった環境で稼働しており、2015年までには鳥取県の200以上のシステムをクラウド化し、県外へも積極展開する計画だ。

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