法政大学、日立のクラウドソリューションで学内クラウド環境を構築

法政大学は7日、学内クラウド環境を実現する新システム基盤「情報システム2011」が本格稼働したことを発表した。サーバやストレージの台数を従来比で約50%削減し、業務処理量に応じたITリソースの動的割り当てが可能になったという。

» 2011年11月07日 15時08分 公開
[ITmedia]

 法政大学は11月7日、事務基幹システムと教務システムの基盤「新情報システム」の刷新によって学内クラウド環境を実現する新システム基盤「情報システム2011」を構築し、本格稼働したことを発表した。

 同システムでは、従来個別に運用していたインフラ環境をサーバ仮想化技術によって複数の業務システムで共有できるようにし、ITリソースの有効活用が可能となったという。さらに、ITリソースを集約させ、処理量に応じて柔軟にリソースの割り当てを変更できるようにし、Web上での履修登録や成績公開といったアクセス集中時でもレスポンスタイムの低下を防ぐようにしたと。

 また年度末の大量処理が必要な際は、バッチ処理用に割り当てるなどの運用も可能となっており、新サービス追加時も、業務開発環境をより短時間で作成し、仮想イメージを本番環境に移行するだけでサービスが開始できるという。

 仮想化技術の採用によってサーバやストレージなどの機器台数を従来システムに比べ約50%削減したほか、サーバのCPU性能を2.3倍、メモリ容量を1.2倍、ディスク容量を4.9倍にそれぞれ向上させた。また物理サーバの台数を減らしたことで、消費電力量を以前より約50%削減するなど、環境面にも配慮したシステム設計となっている。

 なお、情報システム2011は、日立クラウドソリューション「Harmonious Cloud」のプライベートクラウドソリューションを活用し、構築したものになる。システム基盤であるサーバ環境には、日立の統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」を用いたほか、仮想化環境の構築によりサーバ統合を実現する「Microsoft Windows Server 2008 Hyper-V」を活用。また、ストレージ環境には、容量の割り当てを自動で行うボリューム容量仮想化機能を搭載したミッドレンジディスクアレイ「Hitachi Adaptable Modular Storage 2100」を採用しているという。

 今後、法政大学では、大学の業務継続性を確保するBCPへの対応を一層強化するため、学外のデータセンターへの移行を検討していくとしている。

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