A10 ネットワークス、DDoS対策を強化したADC製品を発売

A10 ネットワークスが、DDoS攻撃への対策に特化した専用ASIC「FTA-2」搭載のアプリケーションデリバリーコントロール製品を発売。2012年度に向けた同社の国内戦略も発表した。

» 2012年02月15日 17時37分 公開
[本宮学,ITmedia]
photo A10 ネットワークスの小枝逸人 社長兼CEO バイスプレジデント南アジア

 A10 ネットワークスは2月15日、データセンター向けアプリケーションデリバリーコントロール製品「AX 3200-12」「AX 3400」を発売した。ともに1Uサイズのラック型製品で、DDoS(大規模・分散型サービス妨害)攻撃の防御に特化した専用ASIC「FTA-2」(Flexible Traffic ASIC)を搭載している。

 FTAは、DDoS攻撃に対する防御をCPUではなく専用チップで行うという技術。従来は2Uサイズのキャリア向けハイエンド製品「AX 5X00」シリーズだけに搭載していたが、今回初めて1Uラック型の中〜大規模向け製品に搭載。これにより、AX 3200-12は最大で2500万SYNパケット/秒、AX3400は最大5000万SYNパケット/秒を処理できるとしている。

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 AX 3200-12は、4コアのプロセッサと12Gバイトメモリ、64ビットの独自OS「ACOS」を搭載。110万のレイヤ4CPS(Count Per Second)と18Gbpsのスループットを実現するとしている。最大消費電力は313ワットに抑え、2011年に発表した「AX 3030」と比べて1ワット当たりの性能を約15%向上させたという。

 AX 3400は、6コアのプロセッサ、24Gバイトメモリ、ACOSを搭載。200万のレイヤ4CPS、38Gbpsのスループットを実現するという。最大消費電力は660ワットと、「AX 5200などのフラッグシップ機に並ぶグリーン性能を実現した」(A10 ネットワークス マーケティング部の高木真吾氏)としている。

 両製品とも4ポートの10Gbファイバポート、4ポートの1Gbファイバポート、20ポートの1Gbカッパーポートを搭載する。価格はAX 3200-12が869万9000円、AX 3400が1499万9000円(税別)。

photophoto 左からAX 3200-12、AX3400

 A10 ネットワークスの小枝逸人 社長兼CEO バイスプレジデント南アジアは、同社の業績が2009〜2011年度の2年間で「グローバルで5倍、日本で6倍に成長した」と説明。さらに、2011年度の同社の業績が市場シェアトップのF5に肉薄する――という調査会社の予測を挙げ、「2012年はマーケットシェアでナンバー1を目指す」(小枝社長)とした。

photophoto 左からA10 ネットワークスの2009〜2011年度実績、市場シェア

 小枝社長によれば、同社の他社優位性は「充実した顧客サポート」を実施していることだという。具体的には、NECや三井情報をはじめとする代理店を通じた顧客サポートや、日立製作所によるOEM販売のほか、2012年には新たに「ワールドワイドのコールセンターの一部を日本に設置する」(小枝社長)としている。

photo 米A10 Networks創業者のリー・チェンCEO

 設置予定のコールセンターは、「非常にスキルの高いエンジニア」が「24時間体制でグローバルと同じ顧客対応」を日本語で行う――というもの。既に数人のエンジニアによってテスト稼働を行っており、「今後1〜2カ月ほどで本格稼働を始める」(小枝社長)という。

 米A10 Networksのリー・チェンCEOは、16カ国の海外支社のうち「日本には特に多額の投資をしており、大きな関心を寄せている」と話す。チェンCEOは「『日本でサービスを提供している外国のネットワークベンダーは顧客サポートが悪い』という話をよく聞く」とし、今後も顧客サポートに注力することで、日本での市場優位性を高めていく考えを示した。

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