やはりサンフランシスコの郊外、サウサリートに本社を置くSerena & Lilyは2003年、小さなベビー用品のブティックで産声を上げた。寝具やバス用品など、取り扱い商品を増やし、通販カタログとB2Cサイトで事業を拡大した。当初は卸売も行っていたが、次第に直販に軸足を移し、今年ついに卸売は止めたという。B2Cサイトを通じたブランド構築と優れた顧客体験の提供に力を注ぐのが狙いだ。
同社で直販などを担当するリック・ラグサ上級副社長は、「B2Cサイトでは、寝具の柄を選び、バーチャルに組み合わせをコーディネートできるようにし、さらにそのデザインを顧客同士で共有するソーシャル機能も統合した」と話す。
このB2Cサイトを構築したのが、デジタルマーケティングで実績のあるサンフランシスコのFluidだ。同社はNorth FaceやSears、Brooks Brothersなどを顧客に持ち、Webサイトやソーシャルメディア、モバイルデバイスを活用し、顧客体験を優れたものにするサービスを提供してきた。
今回のSuiteWorldでは、「NetSuite Agency Program」が発表された。Fluidのようなデジタルマーケティングのノウハウがあり、洗練されたWebサイトを制作できる代理店の力を借りるのが狙いだ。プログラムに参加すると、SuiteCommerceプラットフォームに関するトレーニングなども提供されるという。
NetSuiteをプラットフォームとしたエコシステムの構築を重視する同社は、SuiteCommerceプラットフォートでも多くの有力なテクノロジーパートナーの支持を取り付けることに成功している。
ネルソン氏がステージに招き上げたRetail Anywhereもそうしたテクノロジーパートナーの1社だ。カリフォルニア州パソローブルスに本社を置く同社は、小売り向けPOSのソフトウェアとシステムを30年近く提供したきた老舗。同社は、「POS for NetSuite」の名称でPOS端末とPOSソフトウェアをNetSuiteプラットフォームと統合し、店舗も含めたマルチチャネルに対応したソリューションを提供している。
この日のステージでは、同社のブランデン・ジェンキンズCEOだがiPhoneベースのハンディーなPOS端末をデモし、小規模の事業者でも導入しやすいローコストなPOSシステムの可能性を示した。先週、ペイパル日本法人の設立が発表され、iPhoneを活用したクレジットカード決済手段が話題になっているが、既にNetSuiteはPayPalをはじめとするさまざまな決済サービスをサポートしているほか、コンビニ決済や代金引換サービスも対応済みだという。
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