EqualLogicのブレードアレイモデルやこれを活用したデータセンター向けシステム、運用を支援するソフトウェアの最新版などを提供する。
デルは9月12日、ストレージソリューションの新製品群を発表した。iSCSIストレージのブレードアレイモデル「EqualLogic PS-M4110」や、これにサーバやネットワーク機器などを組み合わせた「コンバージド・ブレード・データセンター・ソリューション」、運用を支援するソフトウェア群の最新版、また、「Fluid File System」に対応したEqualLogicおよびCompellentの新製品を同日から提供している。
PS-M4110は、PowerEdge M1000eの筐体内部に引き出し式で収納可能なコンパクト設計を採用。ブレードシャーシ内に4台(1台当たり最大14テラバイト、最大合計56テラバイト)まで収納でき、PS6000シリーズの使用ではシャーシ外部を含め16台まで拡張できる。完全二重化による冗長性を確保しており、ホットスワップで機器を交換できる仕様となっている。
付属するソフトウェア群ではファームウェアの最新版アレイソフトウェア6.0で同期レプリケーション機能やIPSEC方式による暗号化機能が追加され、データ保護対策を強化。管理ツールのSAN HQ 2.5では重大イベントの発生をリアルタイムに送信する新機能を搭載する。統合型コンソールツールではVMwareやMicrosoftのツールとの連携を強化した。
コンバージド・ブレード・データセンター・ソリューションは、PS-M4110とPowerEdge M420サーバ、Force10 MXLスイッチを組み合わせた事前検証済みのデータセンター向けソリューション。競合製品に比べて導入設定の時間が半分程度になるとし、ネットワークを1/10/40GbE、ストレージ容量を最大2ペタバイトまで拡張できるという。
「Fluid File System」は、分散型ファイルシステムでEqualLogicやCompellent、PowerVoltの同社ストレージの統合運用を可能にするという。これに対応した新製品としてEqualLogic FS7600シリーズとCompellent FS8600がラインアップに追加された。
ストレージ関連のソフトウェアではバックアップ/リカバリソフトの最新版「AppAssure 5」もリリースする。同バージョンではエクサバイトクラスのデータ保護や重複排除・圧縮などの機能を強化し、Linuxもサポートする。現在は英語版のみだが、今後日本語化も予定しているという。
製品発表の記者会見に登壇した米Dell エンタープライズ・ストレージ プロダクト・マーケティング エグゼクティブ・ディレクターのトラビス・ビジル氏は、ストレージビジネスの戦略について、「過去5年間に6社のストレージ技術関連企業を買収しており、これらの統合を通じて当社ならでは価値を創出する。自動化されて使いやすいソリューションを手ごろな価格で、ミッドレンジクラスとハイエンドクラスのユーザーに提供することで、この市場の立場を強化していく」と説明した。
また国内の販売戦略について、エンタープライズ・ソリューション統括本部 エンタ―プライズ・プロダクトセールス・グループ本部長の小島由理夫氏は、「デルというと直販のイメージが強いが、ストレージビジネスではチャネル経由を重視しており、売上の3割が代理店経由だ。現在はオリックスレンテックなどフィナンシャルパートナー経由での販売にも注力し、顧客は購入しやすい環境を広げたい」と話している。
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