これら一連のPureData Systemが披露されたInterConnectカンファレンスは、経営層やビジネス部門とIT部門が一緒になって直面する課題に取り組み、さらなる成長へと踏み出す機会として開催された。IBMが「Growth Market」と呼ぶ、成長著しい新興国を中心に約50カ国から2500人の顧客がシンガポールのセントーサ島に集まったが、彼らの約85%が意思決定権を持つという。
昨年、IBMの売り上げ全体に占める成長市場の割合は22%に達しており、利益の伸びの半分近くはこれらの市場から生み出されたものだ。2015年には売り上げの30%を占めるまでになると同社ではみている。
IBM Global CEO Study 2012では、世界のCEOが「テクノロジー」を重視する姿勢が浮き彫りになった。今回初めて、最も多くのCEOが企業の将来にインパクトをもたらす要素としてテクノロジーを挙げた。一方、CIOを対象とした同社の別の調査では、ビッグデータのアナリティクスがイノベーションと成長をドライブする、と8割以上が回答している。まさにビジネスとITを結びつけ、膨大なデータから洞察を獲得し、競争力に生かしていくための新たなリーダーシップが求められていると言っていい。
15世紀半ばの東ローマ帝国滅亡は、東西交易の拠点を失ったジェノヴァやヴェネツィアの衰えを招き、航海士の多くがスペインやポルトガルの新興国家に移り、新天地開拓に乗り出す大航海時代のきっかけとなった。そこでは天文学、羅針盤、造船などのテクノロジーが遠洋航路開拓に大きく貢献した。新たなテクノロジーの活用は、意外にも新興国が長けているのかもしれない。
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