富士通、垂直統合型データベースマシンを発売 「性能はオラクルと同等」

富士通がインメモリ型のデータベースアプライアンス製品を発売。ハードウェアとソフトウェアを組み合わせてチューニングを済ませた状態で出荷するため、設置したその日から利用できるという。

» 2012年12月07日 08時00分 公開
[本宮学,ITmedia]
photo FUJITSU Integrated System HA Database Ready

 富士通は12月6日、インメモリ型のデータベース(DB)アプライアンス製品「FUJITSU Integrated System HA Database Ready」を発売した。2013年1月下旬に出荷を開始、価格は6730万円(税別)から。

 HA Database Readyは、同社のサーバ製品「PRIMERGY」やストレージ製品「ETERNUS」、ネットワーク製品「SR-X」、運用管理ソフト「Systemwalker」などを組み合わせたアプライアンス製品。DB全体をフラッシュメモリに搭載することでI/O性能を向上させ、同社の従来製品(DBソフト「Symfoware」とストレージ製品の併用時)と比較して約20倍の処理性能を実現したという。「CPUの最大性能を引き出せる」(富士通の新田将人 ミドルウェア事業本部本部長)

 導入時間も短縮した。メインターゲットとする中堅規模の企業での導入パターンを事前に想定し、ハードウェアの設定やDBの初期設定などを済ませた状態で出荷する。これにより、ユーザーは管理者IDとIPアドレスを設定するだけで「設置した当日からDBを利用できる」としている。

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 バックアップでは、Symfowareのミラーリング技術でシステムを二重化した上でETERNUSに自動バックアップする“三重化”構成を採用。これにより、万一の障害発生時にもアプリケーションの動作を止めることなく「サブのサーバに10秒で切り替えられる」という。パッチ作業もメインとサブのサーバを交互に停止させながら行うため、業務を止めずにパッチを適用できる。

photo 新田本部長

 新製品は、同社製品のほかオープンソースソフトウェア(OSS)も活用している。OSには「Red Hat Enterprise Linux」を採用したほか、DBはSymfowareとOSSの「PostgreSQL」を組み合わせている。

 OSSの採用を通じ、オラクルやIBMなどが提供するアプライアンス製品と比較して安価な価格で提供するという。「他社からも垂直統合型のDB製品は出ているが、大企業向けの高価なものが多かった。HA Database Readyは比較的中小規模の顧客に対して提供していく」(新田本部長)。同社のサポートデスクで最長5年のサポート対応も実施する。

 富士通はオラクルのDBアプライアンス「Exadata」も販売しているが、「オラクルはもっと大規模な顧客をターゲットとしている。(新製品とは)市場が違う」と新田本部長は話す。「オラクルと比べて性能面ではほぼ同等と考えている」としつつ、顧客の利用規模などに応じてExadataとHA Database Readyをそれぞれ提供していく考えだ。

 同社は今後、3年間で300システムの販売を目指す。

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