大規模プラントが故障する予兆をビッグデータで監視、NECが製品化

プラント設備に設置したセンサの情報を収集し、故障が発生する前の不健全な状態を検出・把握することで、プラントの予防保全、安全性の向上や効果的な運用を実現するという。

» 2013年04月08日 16時32分 公開
[ITmedia]

 NECは4月8日、工場や発電所など大規模施設(プラント)における故障の予兆を分析し、故障に至る前に設備の不健全な状況が把握できる「大規模プラント故障予兆監視システム」を開発したことを発表した。

 このシステムは、プラント設備に設置されている各種センサの情報を収集し、「インバリアント分析」技術を用いて解析を行うというもの。同技術により、膨大なセンサ情報から設備の健全な運用状態を自動的に定義し、常時収集するセンサデータと比較、分析することで、故障が発生する前の不健全な状態を「故障の予兆」として、いち早く検出・把握が可能になる。これによってプラントの予防保全が可能となり、安全性の向上や効果的な運用につながるとしている。

 開発にあたりNECは、中国電力の協力で同社の島根原子力発電所において実証実験を行い、検出可能との良好な結果が得られたという。同システムの特長は、(1)膨大なデータを短時間で解析、(2)さまざまな計測情報を結び付けて精度の高い予兆検知を実現、(3)既存センサ情報を利用してさらなる故障検知能力の向上が可能――の3点。NECはインバリアント分析技術を利用して、工場や発電所など、さまざまなプラントで利用する故障予兆監視システムとして、海外への展開も視野に今後も開発を進めていく考えだ。

 NECは2012年2月に全社横断の「ビッグデータ戦略プロジェクト」を立ち上げ、ビッグデータを活用した技術・製品の開発、顧客との実証実験、提案活動を積極的に進めている。今回のシステム開発は、社会インフラ分野におけるビッグデータ関連ソリューションの一環としている。

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