国内データセンターのインフラ管理ソフト導入は0.5%にとどまる――IDC調査

IDC Japanの調査では国内のデータセンターにおける「データセンター・インフラストラクチャ・マネジメント(DCIM)」の導入は進んでいないことが明らかになった。

» 2013年11月05日 17時50分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは11月5日、国内のデータセンターインフラ管理の状況についての調査結果を発表した。データセンター運用管理には、サーバーやネットワークなどのIT機器だけでなく、IT機器を冷却するための空調設備や非常用電源などの設備を包括的に管理することが重要となることから、調査ではこうした包括的管理を行うソフトウェア「データセンター・インフラストラクチャ・マネジメント(DCIM)」の導入状況を調べている。

 データセンターでは電力料金の上昇や市場での競争激化により、運用効率の継続的な改善が重要になっている。しかし、国内のデータセンターでは建物設備の老朽化が進んでいる拠点が増え、データセンター内のIT機器だけでなく、空調設備や電源設備などを一括して管理することが効率改善のキーポイントとされる。DCIMは、データセンター全体の運用管理を一括して行い、電力消費状況、機器や設備の使用状況、センター内の空きスペースの管理に必要な情報などを集中管理することができるソフトウェア。IDCは、全世界のDCIM市場規模が2016年に2012年の約2倍になると予測する。

 今回の調査では、日本国内でのDCIMの利用状況を調べた。それによると国内のデータセンターのうちDCIMを導入して使っている拠点の比率は、多く見積もっても約0.5%にとどまっていることが分かった。クラウド事業者/通信事業者/ITサービス事業者などの事業者データセンターでは、既に自社でカスタムメイドした管理ソフトウェアを使っているところが多く、また、金融/製造/流通などの一般企業のデータセンターでは「DCIM」というソフトウェア製品の認知度そのものが低いことが背景となっている。

 現在、国内のデータセンターでは集約化が進んでおり、データセンターの平均規模は大きくなっている。大規模データセンターではDCIMのような運用管理ツールを利用することは運用品質を高めるために有効とされる。ITサービス リサーチマネージャーの伊藤未明氏は「老朽化したデータセンターだけでなく、最新設備の大規模データセンターにおいても、DCIMを導入して運用品質を継続的に向上させていくことが、今後のデータセンター管理者の課題となるだろう」とコメントしている。

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