データの経済性に革新、日本IBMが新ストレージや磁気テープ記録技術を発表

企業が既存ITインフラの効率性を高め、21世紀の天然資源であるビッグデータの活用にその投資を振り向けられるようにする一連の新ストレージ製品を日本IBMが発表した。

» 2014年05月20日 16時38分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 日本アイ・ビー・エムは5月20日、ビッグデータの分析や優れたコスト効率を実現するSoftware Defined Storageの新製品を発表した。

 「21世紀の新たな天然資源」ともいわれるデータの活用が競争力を左右すると多くの企業が考えているものの、青天井でストレージに投資できるわけでもなく、急増するビッグデータからより良い意思決定につながる洞察を獲得するのは容易なことではない。日本IBMの調べでも、効率性に優れた社内インフラを構築していると回答した企業は、5社に1社、わずか20%にとどまっており、先ずは、既存ITインフラの効率性を高めてコスト削減を図り、新たなワークロードに投資を振り向ける必要がある。

 日本IBMがこの日発表したSoftware Defined Storageシステムは、いわゆる従来型のSystems of Recordを効率化し、データの経済性を大きく変えるストレージ製品。中核となる「IBM Storwize V7000」は、Real-time Compression(リアルタイム圧縮)とEasy Tier(階層管理)の機能が強化され、IBMはもちろん他社ストレージも仮想化し、ストレージへの投資効率を大幅に改善する。

 特にリアルタイム圧縮は、CPU強化と専用エンジンを追加したことで従来比10倍の速さでストレージに書き込む前に圧縮する。ストレージ容量は、データベースなどでは最大で80%、平均でも55%削減できるという。

 なお、IBMはネバダ州ラスベガスで開催中の「IBM Edge 2014」カンファレンスで同社の基礎研究部門が、1平方インチ当たり85.9Gビットのテープ記録密度を実証したことを明らかにしている。同社は、1950年代に初めての商用テープストレージを発表、以来、長いイノベーションの歴史がある。2002年から富士フイルムの協力を得て、より微細なバリウムフェライト(BaFe)磁性体をベースにした次世代のデュアルコート磁気テープの最適化を図ってきた。新技術は、業界標準の「LTO-6」テープカートリッジで現在の62倍に相当する、154テラバイトの容量を実現し得る技術だとしている。

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