名古屋市大病院、SDNでネットワーク環境を刷新

部門別に運用していた物理ネットワークをSDNで統合し、ネットワーク基盤コストの大幅削減とデータセキュリティの確保を実現した。

» 2014年05月29日 14時11分 公開
[ITmedia]

 名古屋市立大学病院が院内のネットワーク基盤をSDN(Software-Defined Networking)技術を活用して刷新し、コスト削減とデータセキュリティの確保を両立させた。これを手掛けたNECが5月29日に発表した。

 同院のネットワーク環境は、各診療部門で使用する医療機器の専門性やセキュリティの観点から個別に構築・運用され、情報システム部門の運用管理者が正確な状態を把握することが困難になっていたという。また、ネットワーク接続する医療機器や移動して利用する機器の増加からネットワークの設定変更が頻繁に発生し、誤って接続してしまうなどの課題も抱えていた。

 今回の刷新では40台以上の従来型スイッチで行っていたルーティングをSDN技術に変更。サーバやデスクトップの仮想化も実施しており、これによって機器収納ラックが17台から6台に減り、設置面積が65%削減された。4000を超えるIPアドレスが1カ所に集約され、8台のSDNスイッチでルーティングしている。

 運用管理画面でも物理/論理ネットワークを一元的に可視化して管理・制御できるようになった。機器の追加や新しい医療システムの追加などの際の設定変更も容易になるとしている。

 新たなネットワークでは電子カルテや医療機器、スマートフォンなどの目的別に分離された論理ネットワークが構成され、目的別システムごとにデータのセキュリティを確保した安全な運用ができるという。無線LANに対応した最新型の生体情報モニタの導入や、病室や手術室内でスマートフォンによって撮影された記録写真を即座に転送し、電子カルテに登録できるといった新たな医療サービスも導入している。

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