EMC、新コンセプトのハイエンドストレージを発表

新製品の「VMAX3」ではアプリケーションのサービス水準に応じてストレージを割り当てる「エンタープライズ データ サービス プラットフォーム」というコンセプトを採用した。

» 2014年07月31日 17時15分 公開
[國谷武史,ITmedia]
VMAX3

 EMCジャパンは7月31日、ハイエンドストレージの新製品「VMAX3」などを発表した。ハイブリッドクラウド環境の普及に向けて「エンタープライズ データ サービス プラットフォーム」という新コンセプトを採用したのが特徴だという。

 VMAX3は、数十〜数百コアのマルチコアのサポートやストレージハイパーバイザを統合したOS「HYPERMAX OS」により、アプリケーションのサービスレベルの要件に応じてストレージリソースの動的な割り当てを可能にしている。米EMCエンタープライズ&ミッドレンジシステム部門社長のブライアン・ギャラガー氏は、「従来のようにハードウェアベースのリソースの割り当てから脱却し、サービスの観点からワークロードごとに最適なリソースを瞬時に割り当てる。ストレージという概念を超えた『データサービスプラットフォーム』だ」と説明した。

 こうした仕組みにより、VMAX3は従来のTier 1やTier2といった構成によるストレージシステムの概念を刷新した統合型システムになるという。同社では最大50〜60%のTCOや電力消費などの削減が可能だとする一方、3倍のパフォーマンスの向上が図られるとしている。また、データ保護ソリューション製品「Data Domain」へ直接データをバックアップできるほか、将来的にパブリッククラウドサービスとの連携機能も実装する予定だという。

サービスカタログから“松・竹・梅”を選択するような感覚でストレージを利用していくようになるという

 同社は併せてスケールアウト型NASの「Isilon」とオールフラッシュストレージアレイ「XtreamIO」の新製品も発表した。

 Isilonではハードウェアの刷新でパフォーマンスを2倍に高めたほか、様々な非構造化データの転送のプロトコルをサポートしていく「データレイク」というコンセプトを取り入れる。まずWindowsのSMBプロトコルのマルチチャンネルに対応し、2014年末までにHDFS 2.3やOpen StackのSwiftに対応するという。

Isilonの「データレイク」コンセプトのイメージ

 XtreamIOではエントリー向けに5テラバイトモデルをラインアップに追加するほか、2014年秋には120テラバイトも加える予定。5テラバイトから10テラバイトへの容量拡張は無停止で行える。また、AES256ビットによるデータの常時暗号化機能、書き込み可能なスナップショット機能、最大4分の1にデータを節約するインライン圧縮機能を提供する(インライン圧縮機能は9月以降に提供)。

 新製品についてEMCジャパンの山野修社長は、「コスト削減とビジネス成長の双方を実現するIT環境を提供したい。従来型のワークロードとビッグデータやモバイルなどを活用する新たなワークロードのギャップを埋める」と語った。

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