世界最小「手のひら静脈センサー」搭載 富士通、セキュリティ機能を強化した法人PC新モデル情報セキュリティ対策を強く意識した法人PC

富士通が情報セキュリティ対策を強く意識した法人向けPC、タブレットの新モデルを発表。セキュリティと利便性を両立した、新開発の「手のひら静脈センサー」を内蔵した機種をはじめ、リモートワイプソリューションや仮想デスクトップ環境にも対応する。

» 2015年01月20日 21時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
photo 「手のひら静脈センサー」をカスタムメイドで内蔵できる新機種を大幅に拡充した。小型化した新世代のセンサーにより、手のひら静脈センサーをごく自然にPCへ内蔵できるようになった

 富士通は1月20日、企業向けPC/タブレットの新製品4シリーズ6機種を発表。2015年1月より順次販売する。

 今回の法人向け新モデルは「モバイル利用に最適な端末の拡充」と「ワークスタイル変革を強力にサポート」を意識し、昨今の業務デバイスにおける利用ニーズを全方位でカバーする「安全、安心」の機能を徹底して取り入れた。

 デバイスの使われ方や社員のワークスタイルに大きな変化が生じている潮流、そして多発する情報漏えい事件を例に出すまでもなく、情報セキュリティ対策は企業の存続にも関わる必須の対策として、情報システム部門はその対応が迫られている。インフラやセキュリティソリューションなどによる“守る”対策とともに、社員全員が普段使う身近な端末──業務PCやタブレットそのものにも、そのあり方や考え方の変革が必要だと富士通は提言する。

 特にセキュリティ機能は、同社が生体認証方法として特に有効と開発を続けてきた「手のひら静脈センサー」をスマートに内蔵できるカスタムメイドモデルを中心に高度なセキュリティ機能を搭載した端末を拡充した。LTE/3Gモジュール内蔵で電源オフ時もリモート管理できるリモートデータ消去ソリューション「CLEARSURE 3G/LTE」とともに、企業の「安全、安心」なモバイル運用をサポートする。


photo 第5世代インテルCore iプロセッサーを搭載した14型スリムビジネスモバイルノート「LIFEBOOK U745/K」(32万2100円から 2015年2月上旬提供開始予定)、13.3型の最長20時間動作対応モバイルノート「LIFEBOOK S935/K」(30万900円から 2015年1月下旬提供開始予定)
photo 13.3型の防水Windowsタブレット「ARROWS Tab Q775/K」(17万5400円から 2015年3月上旬提供開始予定)、2560×1600ピクセル表示+10.1型の防水タブレット「ARROWS Tab Q584/K」(11万7100円から 2015年2月上旬提供開始予定)
photo 13.3型コンバーチブルノート「LIFEBOOK T935/K」(40万5100円から 2015年1月下旬提供開始予定)、12.5型コンバーチブルノート「LIFEBOOK T725/K」(34万4300円から 2015年2月中旬提供開始予定)

 ラインアップは、14型のスリムビジネスモバイルノート「LIFEBOOK U745/K」、13.3型の最長20時間動作対応モバイルノート「LIFEBOOK S935/K」、13.3型コンバーチブルノート「LIFEBOOK T935/K」、12.5型コンバーチブルノート「LIFEBOOK T725/K」、13.3型の防水Windowsタブレット「ARROWS Tab Q775/K」、2560×1600ピクセル表示+10.1型の防水タブレット「ARROWS Tab Q584/K」の全6機種。ぞれぞれ指紋認証センサーを標準搭載(U745/Kはカスタムメイドで搭載可能)し、さらにLIFEBOOK U745/K、LIFEBOOK S935/K、ARROWS Tab Q775/Kは、世界最小・最薄・最軽量(2014年10月現在、富士通調べ)とする新世代「手のひら静脈センサー内蔵」も選択できるようにした。

 手のひら静脈センサーによる認証は、偽造が困難+認証精度が高い特徴がある。ユーザーIDやパスワードをキーボードで入力する代わりに、「手のひらをかざすだけ」の簡単作業でWindowsや社内システムへログオンできる。センサーから近赤外線を照射して手のひらの内部の静脈を撮像、手のひらの静脈パターンを解析した画像でIDとパスワードとひも付けて認証する仕組み。照合時間は約0.8秒ほどで済み、他人受入率は0.00008%以下。別の生体認証技術である指静脈や虹彩認証と比べ、早く手軽で、強固なメリットがあるという。

photo 手のひら静脈センサーを追加した「ARROWS Tab Q775/K」で手のひら静脈認証を試す。手のひらをセンサーから数センチの位置まで近づけると認証される。とても手軽だ
photophoto 生体情報を使う認証手段のメリットと「手のひら静脈認証」の強み

 認証システムはセキュリティ機能(生体認証など)対応クライアント機器、専用の認証サーバ「Secure login Box」(約80万円)、認証ソフトウェア「SMARTACCESS/Premium」(必要台数分のライセンス)を組み合わせて運用する。デスクトップPCや既存のPC環境へ追加する「後付け型」(USB型、キーボード内蔵型、マウス内蔵型)での導入も可能だ。

photophoto ログインのログなども管理できる認証サーバ(写真=左の2台1組)と「SMARTACCESS」ソフトウェアで管理する。デスクトップPCや既存のPC環境へ追加できる外付けセンサーやキーボード/マウス内蔵型センサーも用意する(写真=左) VMware/Citrix Xenなど仮想デスクトップ環境を使う企業に向け、生体認証システムをサポートした管理ソフトウェア「SMARTACCESS/Virtual V10L10」もラインアップに加えた(写真=右)

 加えて、手のひら静脈センサー、指紋センサー、スマートカード、FeliCaカードなどさまざまなセキュリティデバイスを使い、Windowsや社内システムへのログオンを可能にする統合認証ソフト「SMARTACCESS」シリーズに、仮想デスクトップ環境(VMware Horizon(with View)、Citrix XenDesktop、Citrix XenApp)での利用をサポートした「SMARTACCESS/Virtual V10L10」もラインアップに加えた。これにより、仮想環境上で動作するWindowsや社内システムの利用時も、デバイスに内蔵する手のひら静脈や指紋といった生体認証機能によるログオンが可能となる。

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