ピーチ・ジョンに必要だったWebパフォーマンス、「期待以上」の効果をもたらした新・CDNとは(1/2 ページ)

Webのパフォーマンスが売上を左右する、ECサイト。女性向け下着通信販売ブランド「ピーチ・ジョン」が、ECサイトのWebパフォーマンスの確保と運用コスト効率の向上を目的に新たなCDNサービスを導入した。その経緯と効果とは。

» 2015年02月23日 13時02分 公開
[ふじいりょう,ITmedia]

 デザイン性の高い女性向け下着をはじめ、ルームウェアや雑貨などが20〜30歳代の女性から支持されている女性向け下着通信販売ブランド「ピーチ・ジョン」。ECサイトのWebパフォーマンスの確保と運用コスト効率の向上のために、CDNetworksが提供しているコンテンツデリバリネットワーク(CDN)サービス「コンテンツ・アクセラレーション」「メディア・アクセラレーション」を導入した。

photo ピーチ・ジョンのWebサイト

 人気タレントを起用した広告戦略を広く展開していることもあり、F1層(20〜34歳までの女性)からの人気が高く、さらにスマートフォンを起点にしたアクションが急増している。そのアクセス増にともなってデータの転送量なども大きく増加し、これによる運用コスト増が悩みだった。一般的にECサイトのコンバージョン率(アクセスあたりの成約率)はPCに比べてスマートフォン経由のほうが低いとされるが、対象層や商材、ブランドによってはもうその限りではない。新規ユーザーの獲得や受注件数を増加を見込み、モバイル端末からのアクセスは今後も伸ばす必要がある。ただ、売上の伸びに見合わないコストの増加も懸念されていた。

 そこで求められたのはWebコンテンツ配信の最適化。ピーチ・ジョンはもともとCDN(Contents Delivery Network)サービスを4年以上前から利用していたが、さらに増えつつある転送量を効率的に処理でき、かつ運用コストを抑えることを実現できるCDNベンダーの再選定を必要としていた。

国内サポート体制が決め手

 その際に重視したのは、

  • 技術的な問い合わせの受付窓口の形態や、回答を受け取るまでの時間などのサポート品質
  • コンテンツ一斉更新や、コンテンツ別の詳細なキャッシュ可否設定が可能な機能の有無

 だった。

 CDNetworksの「コンテンツ・アクセラレーション」は、画像や動画、FLASHなどのキャッシュ可能な静的コンテンツを、同社が世界各地に分散配備しているエッジサーバから配信する仕組みを採用し、Webサイトのパフォーマンス高速化を図り、安定化、信頼性向上も実現するサービスとなる。

photo 「コンテンツ・アクセラレーション」の概念図

 切り替えにあたっては、これまで利用していたベンダーも含めた複数のCDNサービスを比較検討した。日本国内でサービスを提供する大手CDNベンダーのほとんどが外資系企業。技術的な問い合わせはオンラインからの受け付けとなり、英語に翻訳された後に海外のサポートセンターへ転送されるという仕組みをとっているケースが多いという。こちらは時差の関係も含めて、回答を受け取るまでにタイムラグがあるのが壁になった。同社はよりスムーズに業務を進めるため「日本語でのダイレクトなサポート」を望んでいた。

 また、ECサイトを運営するにあたり、セールの開始やカタログ切り替えの際のコンテンツ一斉更新や、コンテンツ別の詳細なキャッシュ可否設定など、細かい要望を満たす機能が提供されていることも必須の条件だった。

 CDNetworksはサポートセンターを日本国内に設け、24時間365日で国内スタッフが有人監視を行っており、営業担当者や技術担当者が訪問しての打ち合わせや、メールや電話でのやりとりも期待以上だったという。

 「サポート・コストといった当社が困っていた部分をすべて高水準で満たしていただけると感じ、導入を決めました。特に担当者の対応がすばらしく、返答が素早いだけでなく、当社の要望に対して柔軟・的確に対応していただけました。サービス内容や価格だけでなく、人の対応もとてもよかった」(ピーチ・ジョン経営管理本部情報システム課 前田浩一課長/出典:CDNetwork Webサイト)

導入の際には、まず数日間のトライアルを利用し、日々の大量のアクセスすべてを流した状態でアクセスやレスポンスに問題がないことを確認。契約後も既存ベンダーとの並行利用期間を1週間設けた上で、全アクセスを切り替えることにした。

 「導入にあたってのトラブルがありませんでした。当社の今後の事業展開まで考えたよい提案をいただき、素早く手厚いサポートを受けられた。”これで大丈夫”という十分な確証を持って切り替えることができました」(前田氏/同上)

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