強い意志、変化への挑戦に期待――IT各社トップの言葉2015年の新人たちに贈るメッセージ

2015年度の始まりとともに多くの企業が新入社員を迎え、IT各社のトップが新入社員にメッセージを送った。2015年は「変化への挑戦」を掲げる言葉が目立つ。

» 2015年04月01日 14時55分 公開
[ITmedia]

NTTデータ:岩本敏男社長

岩本敏男社長

 今、社会は大きく変わろうとしています。グローバル化により、さまざまな国の文化が入ってくることで、人々のライフスタイルは変化しています。技術の進化により、これまで当然だと思われていた制約条件や既成概念がどんどん小さくなり、従来の常識が大きく覆ることも起きるようになりました。

 このような時代において、お客さまに選ばれ、社会で必要とされる企業であり続けるためには、期待通りのニーズを満たすだけでなく、お客さまや社会の思いをかたちにする新たな価値を創造することが求められます。NTTデータグループは世の中の新しい流れを洞察し世界や技術の大きな変化をチャンスとして捉えることで、社会的に大きな変化をもたらすイノベーションを起こしてきました。

 私の信条である「真実一路」という言葉を贈りたいと思います。自ら正しいと信じる道を貫き通す、という言葉です。今、自分は何をすべきかを必死になって考える。書物や歴史、先輩や同僚から学び、また自分自身で一生懸命考える。そうして自分のやるべきこと、正しいと信じられる道が見えれば、たとえ周りの人に反対されたとしても、その道がいばらの道であったとしても、それを信じて突き進んでいくことで、必ずや目標を達成することができる、私はそう信じています。そして皆さんにもそうあってほしいと願っています。

日本電気:遠藤信博社長

遠藤信博社長

 NECグループは、人が豊かに生きるためのインフラをICTで実現する「社会ソリューション事業」に注力しています。社会課題に対して、安全・安心・効率・公平という観点でお客様とともに新たな価値を創りながら、世界中の人間社会に「社会ソリューション事業」で大きな貢献をしていきたいという、私たちの意志です。この意味を十分に理解し、我々がどの様な価値を出せるのかということを考えてください。

 商品やサービスは「売るもの」ではなく「買っていただく」もの。そのためには、商品・サービスが「ダントツ」であることが必要です。そのような商品やサービスは、関係部門が一体となってはじめて創ることができます。ビジネスとは常に新しい価値を創造することであり、皆さんにもぜひ「イノベーションへの情熱」を持って、積極的にチャレンジしてほしい。

 「事業は人、企業は文化」。ビジネスを行うのは「人」であり、人が入れ替わっても会社が継続していくためには良い企業文化が必要。積極的なコミュニケーションを通じてお客さまとの強い信頼関係を構築し、NECにある良い企業文化、すなわち「NECグループバリュー」を実践し、世界中のお客さまから愛されるNECグループを一緒に創っていきましょう。

日立製作所:東原敏昭社長兼COO

東原敏昭社長(日立製作所より)

 社会イノベーション事業は、より安全で安心な社会をめざして、日立が培ってきたインフラ技術と、高度なITを組み合わせた事業で、鉄道、水処理、エネルギーなどの社会インフラとITとを有機的に連携させ、より高度な製品・サービスとして提供することを意味します。人びとの生活を豊かにする社会イノベーション事業をグローバルに展開しています。

 この4月に日本以外の地域を米州、中国、アジア・パシフィック、欧州・ロシア・中東アフリカなどの4つに分け、新たに総代表を任命しました。各地域でお客様や社会の課題を早期に認識し、日立グループが一丸となって最適なソリューションを提供していくためには、それぞれの専門領域において技術・ノウハウ・知見を結集することが不可欠です。皆さんにも、ぜひその一翼を担ってもらいたいと思います。

 私たちを取り巻く環境は日々変化し、生じる様々な課題も変化しています。変化に対応し、成長し続けるマインドを持ってもらいたい。そのためにはさまざまな課題を、当事者意識を持って解決に当たることです。私ならどう考え、どう行動するか、「I think、I will do」と、一人称で主体的に活動することを心がけてください。今日入社した皆さんが世界に通用するプロフェッショナルな人財へと成長し、グローバルに活躍されることを期待します。

富士通:山本正已社長

山本正已社長

 今まさに世の中は、新たな時代へ突入しようとしています。それは新たな発想やチャレンジが大きなチャンスをもたらすエキサイティングな時代です。富士通は技術革新を通じてその礎を築いてきましたが、これからの新しい時代をリードするために、イノベーションに大きく舵を切っていきます。

 この流れはグローバルなものであり、自らの組織やビジネスのグローバル化も一層加速しながら、取り組んでいきます。富士通は創立80周年を迎えますが過去の集大成ではなく、新たな歴史の始まりの年にしていきます。

 ICTには、限りない可能性があります。富士通には世の中を変える力があります。優秀な仲間が大勢います。皆さんとともに未来を切り拓き、新たな歴史をつくっていくことを楽しみにしています。

日本アイ・ビー・エム:ポール与那嶺社長

ポール与那嶺社長

 2015年を迎え、私たちは新たな世の中の変化を目の当たりにしています。在庫を待たない流通業、車を持たないタクシー会社、建物を所有しないホテル業など、これまでの常識を覆す新たなサービスが世界中で急速に成長を遂げています。

 これらは、全て情報技術の発展の上に成り立っています。IBMは様々な分野で起きている変化を捉え、新たな時代に向けてお客様とともに歩みます。特に、企業の経営を支える基幹システムを安全かつ安定して稼働させることは、私たちの社会的な責務です。

 本日入社した皆さんのフレッシュで斬新なアイディアや熱意で、これまで先輩たちが築き上げてきたものをさらに洗練させ、お客様に感動されるような革新的な提案ができるようになってください。常に新たな情報技術を取り入れながら、しっかりとお客様の課題と向き合い、より高い価値をお届けしましょう。一刻も早くIBMerとしての自覚を持ち、お客様、チーム、会社、そして社会にとって“Essential”な人材に成長されることを期待しています。

日本オラクル:杉原博茂社長兼CEO

杉原博茂社長

 日本オラクル設立30周年を迎える記念すべき年に精鋭を迎えることができました。日本オラクルは、「クラウドでナンバーワンになる」「もっとも賞賛される会社になる」を二本柱に掲げています。今日から新たなスタートを切る皆さんの力も加え、一緒にこのビジョンを実現しましょう。

 世界はいま「デジタル・ディスラプション」による新産業革命の時代を迎えています。革新的な全く新しいビジネスモデルが従来のそれに取って代わる時代であり、今や全ての社会や産業・コミュニティにも大きな変革の波が押し寄せています。

 この変革の波に立ち向かうために、「Do-Big-Different!」を奨励しています。私たち自身が失敗を恐れずに、昨日より、先月より、去年より、やったことのない飛躍的なチャレンジをしていきましょう。皆さんの新鮮な眼は、新しいビジネス・チャンスや、先輩社員達が知らず知らずのうちに追従している慣習を浮かび上がらせてくれると思います。ぜひ積極的に参加して、一緒に新しいオラクルを創っていきましょう。

日本ヒューレット・パッカード:吉田仁志社長

吉田仁志社長

 産業界の急速なグローバル化に伴い、日本企業は、ともにグローバル化を進めることができる強いITパートナーを求めています。皆さんにはグローバルな環境で自信を持って活躍してほしいと思います。重要なのは、意識で負けないこと。伝えるべきこと、すべきこと、やるべきことに妥協しない強い意識を持つことです。

 働いてお金をもらう以上、皆さんはもうプロフェッショナルです。ただ製品を売るのではなく、お客様のビジネスに貢献してください。それには物事の本質を見極めて、本来の課題は何かをよく考え、解決していくことが非常に重要です。

 いつの時代にも変わらないこと、それは、物事は変わると言う事です。変わらないことは後退を意味します。大切なのは変化の波を自ら作っていくこと。人が作ったものや物事は何でも変えることができます。「自らが先頭に立って、道を切り開く、変化をリードする」という気持ちを持って何事にも取り組んでほしいと思います。

ソフトバンクグループ:孫正義代表

孫正義代表

 皆さんにはこの時期を大切に、挑戦し続けてもらいたいと思います。仕事は一生涯挑戦する重要なメインテーマになるはずです。このメインテーマに精一杯挑戦できないと、人生は満足できないものになると思います。新入社員の時期には下積みの時間があり、学ぶことがたくさんあります。その時期を嫌々過ごすか、積極的に自分を磨くために過ごすかでは、仕事への姿勢が変わります。ぜひ自分を磨いて頑張ってもらいたいと思います。

 ハンディキャップは最高の贈り物で、乗り越えようと通常以上の努力をすることになります。特に若いうちは、ハンディキャップを前向きに捉えると、挑戦自体が楽しいものになり、乗り越えたときの喜び、自らにつく実力は、平々凡々とした状況と比較すると、はるかに実力をつけられるようになると思います。若いうちに、難しい物事にあえて挑戦し、元気に爽やかに精一杯挑戦してください。いつも明るく爽やかに努力する人を、周りはいろいろな形で応援してあげようという気持ちになるものです。

 今はまだまだ情報革命のほんの入り口に過ぎません。われわれは1つのビジネスモデル、1つのテクノロジーの会社ではなく、情報革命が本業です。人々が幸せになるためにこの情報革命をリードしていきます。正しく、明るく、元気に世界中の人々に貢献していきたいという思いです。皆さんには同じ思いを持って、社会人第一日目を迎えていただきたいと思います。

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