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» 2016年07月15日 08時00分 公開

プロマネ1年生の教科書:いいプロマネになるために、己に正直であれ (2/2)

[岩淺こまき,ITmedia]
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なぜ「振り返り」が必要なのか

 本当は〇〇がしたいのに、日々行うのは全く違う仕事……といった乖離があると疲弊してしまいます。しかし、その自らの「本心(欲求)」が分からない状態で、自分探しの状態に陥っている人も案外多いものです。

 本心が分からない理由はさまざまですが、世間的に良しとされている世代的なイメージ(この年齢ならこんな職種で、年収がいくらで、などのレッテル的要素)などに影響を受け、やりたいことが見えなくなるケースも少なくありません。大切なのは外から「勝ち組」と思われるかどうかよりも、「自己一致を感じられるかどうか」。これが働く上での喜びに大きく関わります。

 「本心」が充実し「自己一致」を感じられるとき、自分のキャリアは成功したと実感できるもの。そのためにも、自分が「働く上で何を大切にしたいか」を明確することが必要です。

 これを明確にすると、短絡的な判断や不安感に惑わされずに済むというメリットがあります。仮に今、働くことに迷いがあっても、「自己概念」に従って考えることで不安を解消できます。どうすればいいか、今何をすべきか、場合によっては、つらい現状を受け入れて様子を見るか――自分で現状を選んでいる感覚は「自分の人生を生きている」という充実感につながるのです。

人はいつキャリアを振り返るべき?

 とはいえ、日々の仕事に集中する必要もあるため、常日頃からずっとキャリアを続けるのは現実的ではありません。どっちつかずになっては、仕事の上でもキャリアを考える上でも、よい結果にはなりません。

 神戸大学大学院の金井壽宏教授が提唱するキャリア理論では、「自分のキャリアについて大きな方向付けさえできていれば、人生の節目(区切り)ごとに次のステップをしっかりとデザインするだけでいい」としています。

photo キャリア理論におけるトランジション・サイクル(引用『働くひとのためのキャリア・デザイン』)

 これは異動、転職、結婚、介護、子育て、昇進、大きな悩みや喜びといった節目に、キャリアについてしっかりと考え、その間に起こった偶然の出会いや出来事をチャンスとして柔軟に受け止めて、やりぬくというイメージです。

 この理論の中では、状況を柔軟に受け止めるために、あえて「ドリフト(漂流)」が効果的なこともあると伝えています。現実的な節目のほか、会社が用意している年次研修なども、日常業務と離れて自分のことをしっかり考えられる貴重な機会と言えます。大いに活用してください。

 もう1つ、自身の年齢も振り返るタイミングの参考になります。社会人になって10年〜15年はさまざまな出来事をチャンスとして受け止めてドリフトする、いわゆる「筏下り型」のキャリアの築き方が一般的です。しかし15年を過ぎたころから、「山登り型」にシフトしていく必要があります。

 今までの経験値などから「自己概念」を明確にし、自ら決めた山(キャリア)を登り始める働き方へ変化するのです。その決断を節目で行っていきます。もしもあなたが、プロマネになりたて……というのであれば(30歳前後だと仮定すると)、キャリアを考えるのは、まさに“今”なのかもしれません。その具体的な手段については、次回に詳しくご紹介します。

著者プロフィール:岩淺こまき

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 グローバルナレッジネットワーク株式会社 人材教育コンサルタント/ヒューマン・スキル講師

 大手システム販売会社にて販売促進、大手IT系人材紹介会社にて人材育成、通信キャリアでの障害対応、メーカーでのマーケティングに従事。さまざまな立場でさまざまな人と仕事をし、「ヒューマン・スキルに長けている人間は得をする」と気付く。提供する側にまわりたいと、2007年より現職。IT業界を中心に、コミュニケーション・ファシリテーション・リーダーシップ、フォロワーシップ、OJT、講師養成など、年間100日以上の登壇及び、コース開発を行っている。日経BP「ITpro」で、マナーに関するクイズ形式のコラムを連載中。

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