オリックス八ヶ岳農園は、ハウス環境の“見える化”による野菜の安定供給を目指して、農業ICTクラウドサービスを導入した。
NECは1月11日、オリックスと本多園芸が共同設立した農業法人のオリックス八ヶ岳農園へのクラウドサービス提供を発表した。同サービスはNECのIoT/M2Mソリューション「CONNEXIVE」を活用したもの。
オリックス八ヶ岳農園は、2015年9月から長野県の八ヶ岳高原で太陽光利用型の水耕栽培施設を運営し、ほうれん草やルッコラなどの生食用葉物野菜を生産している。
同園は「CONNEXIVE」を活用し、ハウス内のセンサーから環境データを収集・蓄積する。水耕栽培を行うハウス内には、温度・湿度・炭酸ガス濃度・照度・水温のセンサを設置しており、データを定期的に収集してNECのクラウドに蓄積する。これらのデータは分かりやすい形でグラフ化され、遠隔地からでもパソコンやスマートフォンからハウス内環境をリアルタイムに把握できる。
また、高温・低温などハウス内の異常を検出すると、即時に電子メールで通知される。こうした機能により、ハウス内の状態確認時における作業負荷が軽減し、収集したデータの活用による生産ノウハウの蓄積や生産効率の向上、品質・生産量の安定化などが見込める。
農業従事者の高齢化などが課題となる中、センサーの情報を遠隔地からでも確認できるソリューションは作業負荷の軽減につながるほか、ハウス環境のデータを数値化することで、ベテラン従事者の経験やノウハウを若い世代に伝えやすくなるなどの効果が期待される。
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