ダイキン工業、IoTで作業現場の安全を遠隔管理する富士通のソリューションを導入

ダイキン工業が、装着型センサーで作業者の体調を遠隔管理できるソリューションを導入。けがや熱中症などを防ぐ労働災害対策と、職場の安心、安全を推進する。

» 2017年05月22日 11時00分 公開
[ITmedia]

 ダイキン工業は、安心・安全な職場づくりに向け、IoTで作業現場を見守る富士通のクラウドサービス「安全管理支援ソリューション」を導入すると発表した。2017年6月から大阪府の淀川製作所にて、同ソリューションを活用した作業現場の安全管理を開始する。

 同ソリューションは、富士通がデジタルビジネスプラットフォーム「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc」でSaaSとして展開しているもので、熱中症の発生や作業者の状態を把握することが難しい建設業や製造業などの現場で、作業者の状態、位置情報を遠隔で把握することで見守り、安心して働ける職場づくりを支援する。

 具体的には、作業者が装着したセンサー「バイタルセンシングバンド」が周囲の温湿度やパルス数(1分あたりの心拍数)を計測し、富士通独自のセンサーアルゴリズムで熱ストレスレベルや身体負荷レベルを推定する。身体負荷レベルは、「ほぼ安全」「注意」「警戒」「厳重警戒」「危険」の5段階で推定し、結果が事前に設定した通知条件に該当した場合は、管理者へアラームを通知する仕組み。管理者はアラームが通知された場合、現場作業者に電話連絡を取り、体調の確認や休憩指示を行うことで、遠距離からでも複数の作業者を同時に見守ることができる。

Photo 「安全管理支援ソリューション」の運用イメージ

 導入に先立ち、ダイキン工業と富士通は、2016年7月から4カ月にわたり、同製作所の化学事業の製造工程で同ソリューションを活用したトライアルを実施した。温湿度が高い環境下で熱ストレスレベルの検知精度を向上させるアルゴリズムの検証、評価を実施し、特殊な環境でも、適切な検知を実現できるアルゴリズムのカスタマイズを行った。

 さらに、現場を巡回する管理者が作業者の体調の推移を常時把握し、急な体調異常にもいち早く対応できるよう、専用のスマートフォンアプリも開発し、試行を重ねたという。

 ダイキン工業は、これらのトライアルを経て、同製作所の化学プラントの運転管理者を対象に同ソリューションを活用し、作業者の体調確認や休憩指示を行うなど、作業現場の安全管理を本格的に実施していくとしている。

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