ガートナー 「未来のテクノロジー」を使いこなすための重要戦略トップ10を発表(1/3 ページ)

ガートナー ジャパンは、2021年以降に向けたテクノロジーとビジネスに関する重要な戦略的展望を発表。今後10年間は、従来とは異なるテクノロジーへのアプローチが主流になるという。

» 2020年11月10日 11時10分 公開
[金澤雅子ITmedia]

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 ガートナー ジャパン(以下、ガートナー)は2020年11月9日、IT部門とユーザーに影響を与え得る2021年以降に向けた重要な戦略的展望のトップ10を発表した。これらの展望は、「リセット」と「再スタート」を経て、不確実性の高い世界に対応していく上でのテクノロジーの役割を探るものだという。

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2021年以降に求められるテクノロジーとビジネスの戦略的展望トップ10は?

 ガートナーによると、現在は「テクノロジーへの期待値は極限まで高まっており、従来型コンピューティングは壁にぶつかっている」状態にあるという。世界の動きはかつてないほど速く、デジタルイノベーションのニーズに対応するには、それと同じ速度でテクノロジーの活用とプロセスの変革を進めていく必要がある。今後10年は、「テクノロジーに対する全く新しいアプローチが抜本的なイノベーションをもたらす」時代になるため、企業/組織のCIO(最高情報責任者)はそうした事態に備え、直ちに行動を起こすべきだとしている。

 そうした「“全てをリセットする”未来のテクノロジー」には、3つの共通点があるという。「(1)企業におけるイノベーションと効率化を大幅に推進」し、「(2)これまでのテクノロジーよりも効果的」であり、「(3)社会に革新的なインパクトを与える」の3つだ。

 未来のテクノロジーの活用に向け、2021年以降に向けた重要な戦略的展望のトップ10は以下の通り。

1.2024年までに、従来型の大企業のCIOの25%は、デジタルビジネスの運用成果に対して説明責任を持ち、実質的な「代理COO」になる

 COO(最高執行責任者)の役割は数年前から衰退しつつあったが、“生まれながら”にしてデジタル化が進んでいる新興企業では、その存在意義が高まっている。ビジネスとエコシステムの両方を理解しているCOOは、デジタルビジネスの成功に不可欠な存在である。一方、CIOは、ビジネスインパクトを促進するテクノロジーを熟知しており、COOの役割を部分的に担うことで、テクノロジーとビジネスのゴールを融合させ、企業の有効性を高めることができる。

 ガートナーでは、デジタルビジネスの運用成果に対して説明責任を持つCIOが増えるようになれば、高度にデジタル化された従来型企業のCIOがCEO(最高経営責任者)に直属するトレンドが優勢になると分析している。

2.2025年までに、職場での会話の75%は録音、分析され、組織の付加価値やリスクを発見できるようになる

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