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» 2001年03月15日 12時00分 公開

第1章  eCRMにおけるリレーションシップ・マーケティングとは?eCRM実現のためのメソドロジー入門(1)(3/3 ページ)

[松尾順,@IT]
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[3]システム・アプローチによるリレーションシップ・マーケティング

 これまで、リレーションシップ・マーケティングの展開をご紹介しながら、リレーションシップ・マーケティングの勘どころをお話ししました。

 ここまで読んでいただいた方の中には、「コンセプトや基本的な考え方は分かった。でも、リレーションシップ・マーケティングの施策を実際に立案するにはどうしたらいいの?」また、「リレーションシップ・マーケティングにIT(情報技術)をどう適用・応用したらいいの?」という疑問がわいていらっしゃるのではないでしょうか。実は、本稿ではそういった疑問にお答えするのが最大の目的なのです。

顧客創造のための枠組みとしての「システム・アプローチ」

 まず、これからの連載で特に力を入れてご説明したいのは、「顧客創造」という大目的を見失うことなく、また一連の施策の整合性を維持しつつ、リレーションシップ・マーケティングにおける各種コミュニケーション施策を立案できるガイドライン、言い換えると拠り所となりうる「枠組み」です。

 この枠組みを利用すれば、リレーションシップ・マーケティングのビジョンやコンセプトと、会員制度、ポイントシステムなどの実際のコミュニケーション施策、あるいは、電子メールなどのコミュニケーション・ツールの使い方をきちんと結びつけることができるようになります。また、同時にITをどう組み込むかを判断することが容易になるものです。

 このような枠組みを構築するため、今回は「システム・アプローチ」を採用することにしました。システムといっても、情報システム自体を指しているわけではなく、数式的に表現するわけでもありません。

「システム・アプローチ」という考え方

 システム・アプローチの「関係性に着目した考え方」というのは、顧客との関係づくりを重視するリレーションシップ・マーケティングを説明するうえではとてもしっくりくる考え方です。

 システムを「変換する仕組み」ととらえるアプローチは、情報システムの基本的な考え方を学んだエンジニアの方には理解しやすいものだと思います。実は、本稿執筆のひそかな狙いとして、どちらかといえばアナログ的に考えるマーケターと、IT開発のためにはデジタル的に整理しなければならない技術者の方々のコミュニケーションが円滑に進むようになる、いわば橋渡し的な役割を果たせる考え方を提示できないかなと思っているのです。

まつおっち先生の“ココがポイント”

この連載でいうところの「システム」とは、物事をある状態から別の状態へと変換する仕組みであり、また「システム・アプローチ」とは、そのシステムを構成する要素間の関係性に着目する、という考え方を意味している


 なお、CRMそのものではなく、リレーションシップ・マーケティングに焦点を当てているのは、顧客とのコミュニケーションを中心にして議論を展開したいからです。CRMをメインテーマに持ってくると、まずITありき、インフラありき、的な議論になりかねないので……。

次回は、システム・アプローチについて詳しくご説明します。お楽しみに!

本文中に「まつおっち先生の“ココがポイント”というコーナーがでてきますが、「まつおっち先生」とは、筆者の松尾氏が仲間内では“まつおっち先生”と呼ばれて いることに由来しています。


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