「プロフェッショナルコミュニティ」とは、ITスキル標準センターが運営する人材育成を目的とした組織です。その目的をもう少し詳しくいうと、「ビジネスの第一線で活躍しているハイレベルのスキルを持つ者同士が、社内や組織の論理に捕らわれずに建設的に情報交換や議論が行えるような場を通じて、ITスキル標準の改版、人材育成のあり方等、次世代 ITサービス・ビジネスを担う後進人材のスキルアップに貢献するための諸活動を行う」と定義されています。
要するに、ITスキル標準で定義される同じ職種の人材が、企業の壁を超えて相談や情報のやり取りができて、意見交換ができる場です。
2003年度に「ITアーキテクト委員会」が創設。2004年度には「プロジェクトマネジメント委員会」と「アプリケーションスペシャリスト委員会」が創設され、それぞれ活動が始まっています。そしてその成果は、冒頭で紹介した「ITスキル標準プロフェッショナルコミュニティフォーラム2005」において報告されました。
さらに、2005年度には「コンサルタント委員会」「ITスペシャリスト委員会」「オペレーション委員会」の3つの委員会が立ち上がり、ITスキル標準全11職種のうち6職種の委員会が立ち上げられてます。
プロフェッショナルコミュニティの活動内容は主に以下の内容となっています。
ただし、現状はITスキル標準そのものが固まっていないという状況もあり、まずはITスキル標準の改善指摘からアプローチされているのが現状です。このコミュニティでの指摘が、今後のITスキル標準の改善にもつながっていくのです。
改善指摘に続いて、各種ガイドラインの検討が始まっています。これらも、今後ITスキル標準の普及啓蒙には非常に重要なツールになると思われるため、プロフェッショナルコミュニティの成果には非常に注目が集まっています。
プロフェッショナルコミュニティの成果は、随時、ITスキル標準センターのWebサイトにも公開されますので、今後も適宜チェックしてみてはいかがでしょうか。
【関連リンク】
▼『プロフェッショナルコミュニティ活動』
以上、主に、ITスキル標準センター主幹の改善活動について紹介しました。このほかに、ITSSユーザー協会やITスキル標準に関連するグループでも、導入事例を分析したり、ITスキル標準の良い点や悪い点を評価したり、またITスキル標準を上手に活用していくためにはどうすればよいかといった検討を行っているグループもあります。このように、さまざまな活動でITスキル標準を有効活用していこうという動きがありますので、そういった活動に参加して考察を深めていってもよいのではないでしょうか。
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島本 栄光(しまもと さかみつ)
KDDI株式会社 システム企画部勤務。情報化人材育成および研修企画を担当。
広島市生まれ。広島大学工学部第II類(電気系)卒業。
東京都立大学大学院(経営学専攻)修了。
ITスキル標準に関する活動としては、ITスキル標準センターアプリケーションスペシャリスト委員会主査、ITプロフェッショナル育成協議会委員、JUAS人材育成研究部会副部会長などに携わる。
そのほか、情報処理学会情報システムと社会環境研究会運営委員、上級システムアドミニストレータ連絡会副会長など、特にユーザーとしての情報システムの在り方について関心が高い。
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