
「従業員が少ないから、勤怠管理はタイムカードやExcelで十分」と考えていませんか? 実は、少数精鋭の小規模企業にこそ、勤怠管理システムの導入が急務です。手作業による集計ミスや、複雑化する法改正への対応は、見えないコストやリスクとなって経営を圧迫します。
この記事では従業員50名程度までの小規模企業に向け、自社の課題を解決しバックオフィス業務を効率化する勤怠管理システム/ツールの選び方を初心者にも分かりやすく解説。併せて選定の参考として「低価格」な特徴を持つおすすめの勤怠管理システムを厳選してご紹介します。
機能で比較「勤怠管理システム」おすすめ製品一覧
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そのままで大丈夫? タイムカード・Excel管理が抱える3つのリスク
従来の勤怠管理を続けていると、気づかないうちに企業の成長を妨げる要因になりかねません。それはあなたの会社だけではありません。まずは多くの小規模企業が抱える課題とリスクをチェックしてみましょう。

- 毎月の集計作業に潜むヒューマンエラーと無駄なコスト
- 知らないと危険な「働き方改革関連法」への対応漏れ
- テレワークや直行直帰など多様な働き方に対応できない
リスク1:毎月の集計作業に潜むヒューマンエラーと無駄なコスト
タイムカードからの転記やExcelでの手入力は、集計ミスや打刻漏れが発生しやすく、担当者の大きな負担となっています。月末月初の給与計算時期に勤怠データのチェックや修正作業で何時間も費やしていませんか? この時間は本来、より生産性の高い業務に使うべきコストです。
リスク2:知らないと危険な「働き方改革関連法」への対応漏れ
2019年から順次施行されている働き方改革関連法では例えば、企業は年5日の有給休暇取得義務や残業時間の上限規制などを遵守しなければなりません。Excelでの管理では、従業員ごとの複雑な休暇取得状況や残業時間を正確に把握することが困難であり、気づかぬうちに法律違反となるリスクがあります。知らなかったから……で済むことではないこともリスクです。
リスク3:テレワークや直行直帰など多様な働き方に対応できない
テレワークやフレックスタイム制、直行直帰など、現代の働き方は多様化しています。従来の紙タイムカードでは社外での勤務時間を正確に記録できず、自己申告に頼らざるを得ません。これでは労働時間の不透明化を招き、労務管理が形骸化してしまう可能性があります。
この1ページで解決!勤怠管理システムの主な機能、メリット/デメリット、選定ポイントを理解する|おすすめ54製品をタイプ別に比較

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小規模企業が勤怠管理システムを選ぶ5つの重要ポイント
自社に最適なシステムを導入するために、以下の5つのポイントで製品を比較・検討しましょう。

- 【規模】会社の人数や成長に合っているか?
- 【機能】本当に必要な機能は何か?
- 【料金】コストに見合っているか?
- 【操作性】ITが苦手な従業員でも使えるか?
- 【サポート】困ったときに頼れるか?
【規模】会社の人数や成長に合っているか
勤怠管理システムは「ユーザー1人あたり〇円」のようなシンプルな料金体系のサービスが多いです。このパターンであれば自社の従業員数で無理のない費用なのかどうかを確認しやすいでしょう。将来的な人員増加も考慮し、柔軟にプランを変更できるサービスを選ぶと安心です。
【機能】本当に必要な機能は何か
高機能なシステムは魅力的ですが、使わない機能のために高いコストを払うのは無駄です。自社の雇用形態(正社員、アルバイトなど)や勤務形態(シフト制、フレックスなど)を整理し、必要な打刻方法(ICカード、GPS、生体認証など)や休暇管理、申請・承認(ワークフロー)機能が揃っているかを確認するとよいでしょう。
【料金】コストに見合っているか
初期費用と月額料金といったコスト面は改めてしっかり確認しましょう。クラウド型勤怠管理システムには「初期費用無料(0円)」で済む製品は多くありますが、カスタマイズの有無や範囲によって「要相談(初期設定料金が発生する)」となることもあります。どんな課題を解決したいのか、自社のどのニーズをどのように対処したいのかといった自社の要件をある程度定めつつ、これをベンダー(サービス提供社)に相談しながら選定を進めていくとよいでしょう。
また、一定期間無料で製品・サービスを試用できる「無料トライアル版」を提供している製品も多いため、実際に試して費用対効果を判断するのがおすすめです。
【操作性】ITが苦手な従業員でも使えるか
ITシステムを導入しても従業員に使われなければ意味がありません。また、従業員の中にはITやデジタル機器の操作が苦手な人もいるかもしれません。従業員にも、管理者にも、直感的で分かりやすい画面(UI)や機能性があるかどうかは誰か1人、あるいは口コミのような主観情報だけでなく「自社の観点」も含めて確認していきましょう。多くのシーンでは「スマホアプリ対応」などの機能で外出先からの打刻や申請もかんたんになり、利便性が向上します。
【サポート】困ったときに頼れるか
専任のIT担当者がいない小規模企業にとって、サポート体制の充実は不可欠です。導入時の初期設定サポートや、運用開始後の電話・チャット・メールでの問い合わせ対応など、自社が安心できるサポートメニューが用意されているかを確認しましょう。
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機能や料金を徹底比較! 小規模企業にも対応する勤怠管理システム7選
機能や料金、特徴などから小規模企業にも向くおすすめの勤怠管理システムを厳選してご紹介します。自社の課題と照らし合わせながら選定候補の参考になれば幸いです。(製品名 abcあいうえお順/2025年6月時点)
このほかにもおすすめの製品があります。搭載機能や特徴、評価/口コミ数などで絞り込み/並べかえができる「おすすめ勤怠管理システム一覧&検索&比較コーナー」をぜひお試しください。またITセレクトでは、IT製品・サービス選定に詳しい専門スタッフに聞ける「ITセレクトのコンシェルジュ相談サービス(無料)」も用意しています。こちらもぜひご活用ください!
freee勤怠管理Plus 無料トライアルあり(要問い合わせ)
詳細/利用者の口コミを見る会計ソフトで著名なfreeeが提供するサービスです。最大の強みは「freee会計」「freee人事労務」とのシームレスな連携。勤怠データをボタン1つで給与計算に反映できるため、バックオフィス業務全体の劇的な効率化を実現します。既にfreeeの他サービスを利用している企業には第一候補となるでしょう。
MINAGINE勤怠管理
詳細/利用者の口コミを見る社会保険労務士が開発に関わった、コンプライアンス遵守に強みを持つシステムです。36協定の超過アラートや有給休暇の管理簿作成など、法改正に対応した機能が充実しています。手厚いサポート体制にも定評があり、「労務リスクをしっかり管理したい」「専門家のサポートが欲しい」という企業に安心の選択肢です。
勤労の獅子 無料トライアルあり
詳細/利用者の口コミを見る多くの業種・業態の複雑な就業規則へ柔軟に対応できるカスタマイズ性が特徴です。LINEやSlackでの打刻など従業員にとっての利便性も追求されています。長年の運用実績に裏打ちされた信頼性と、自社のルールに合わせた運用を実現したい企業に適しています。
ジンジャー勤怠
詳細/利用者の口コミを見る勤怠管理だけでなく、人事労務、経費精算、給与計算など、バックオフィス業務を1つのプラットフォームで管理できる「ジンジャーシリーズ」の製品です。「将来的に人事労務全般をDXしたい」と考えている企業にとって、拡張性の高さは大きなメリットになるでしょう。
スマレジ・タイムカード 無料プランあり無料トライアルあり
詳細/利用者の口コミを見る10名までなら基本機能を無料で利用できる「0円プラン」があるのが最大の特徴です。同社のPOSレジサービス「スマレジ」との連携が可能で、特に小売店や飲食店での導入実績が多いです。10人まで月2420円とする有料プランも低コストで利用可能。まずは完全無料で勤怠管理システムを試してみたい企業にぴったりです。
ラクロー 無料トライアルあり
詳細/利用者の口コミを見るPCの利用ログから客観的な労働時間を自動で記録・可視化できる「打刻レス」が特徴の勤怠管理ツールです。従業員への「楽」とともに、打刻忘れやサービス残業の防止に大きな効果を発揮します。特にテレワーク中心で従業員の勤務状況が見えにくい企業や、正確な労働時間管理を徹底したい企業におすすめです。
レコル 無料トライアルあり
詳細/利用者の口コミを見る1ユーザー月額100円という圧倒的な低価格が最大の魅力です。シンプルながらもICカード打刻やSlack連携、休暇管理など、中小企業に必要な基本機能をしっかりと押さえています。「コストを抑えたい」「まずはシンプルな機能から試したい」という小規模な企業や店舗に適する選択肢です。
関連無料で使える勤怠管理システム18選
【比較表】低コストで始められる 小規模企業向け勤怠管理システム
| 製品名 |
初期費用 |
月額料金(税抜/低廉プラン) |
無料トライアル |
主な打刻方法 |
主な特徴・機能 |
| freee勤怠管理Plus |
0円~ |
300円/ユーザー |
○(要問い合わせ) |
PC・スマホ・IC・指紋/静脈・GPS |
freeeシリーズとして他機能も多数用意、連携にも対応 |
| MINAGINE勤怠管理 |
要問い合わせ |
要問い合わせ(参考:300円前後/ユーザー) |
─(要問い合わせ) |
PC・PCログ・スマホ・IC・生体 |
36協定・コンプライアンス対応に強み |
| 勤労の獅子 |
要問い合わせ |
150円/ユーザー |
○ |
PC・スマホ(GPS)・ICカード・LINE |
高度シフト機能/コンサル支援あり |
| ジンジャー勤怠 |
要問い合わせ |
400円/ユーザー |
─(要問い合せ) |
PC・スマホ(GPS)・ICカード |
シリーズで人事・経費などの連携にも対応 |
| スマレジ・タイムカード |
0円 |
無料(ユーザー30人まで) |
○ |
PC・スマホ(GPS・Wi‑Fi) |
シリーズでPOS/給与など連携可 |
| ラクロー |
0円 |
500円/ユーザー(最低利用料金10人分~) |
○ |
PCログ(打刻レス)、PC(Office 365/Google Workspaceの予定表)、Slack |
打刻レス/ガイドライン対応 |
| レコル |
0円 |
100円/ユーザー(最低利用料金3000円~) |
○(30日) |
PC・スマホ・ICカード/打刻機/指紋・静脈機器 |
勤怠~給与まで一括対応 年次有給休暇管理、法令順守チェックなども |
関連ICカードで運用する勤怠管理システムの選び方
勤怠管理システムの導入で失敗しないためのQ&A
Q. 導入までには、どのくらいの期間がかかりますか?
A. クラウド型製品は多くの場合、契約後すぐにアカウントが発行され「最短即日」で利用開始できます。ただし就業規則に合わせた初期設定や従業員情報の登録、打刻テストなどを含めると、1週間~1カ月ほどは見ておくとスムーズです。
Q. 従業員に説明するときのポイントは?
A. 「管理を強化する」という側面だけでなく、「申請がスマホで楽になる」「給与計算ミスがなくなる」といった従業員側のメリットを伝えることが重要です。導入目的や使い方について、事前にしっかりと説明会を開きましょう。
Q. 今使っている給与計算ソフトと連携できますか?
A. 多くの勤怠管理システムは、集計した勤怠データをCSVなどの形式で出力できる機能を備えています。このファイルを取り込むことで、ほとんどの給与計算ソフトと連携可能です。また、freeeシリーズやジンジャーシリーズなど「シリーズ化されている」製品は、会計、給与、人事、経費といった機能とも蜜に連携できるよう設計されています。製品によっては特定の給与計算ソフトとAPI連携できるものもあります。各製品のWebサイト、あるいは詳細資料請求や相談サービスを活用して確認するとよいでしょう。
関連勤怠管理システムの費用はどのくらい?
おすすめ「SaaSを導入したが活用できていない」が3割も!? SaaS導入前に考慮しておくべき3つの基本ポイント

中小企業のSaaS導入事例と成功のポイント
【建機の整備・レンタル】創業70年の老舗企業が、これまでの人依存・紙ベースの業務フローを廃しデジタル型に刷新
創業70年超の歴史を持つ建機サービス企業では、経費精算をはじめとする紙ベースの業務や長年続くアナログ型の承認ワークフローに課題を抱えていました。新技術に対する現場の抵抗感やアナログな慣習をなかなか脱却できず、業務効率化が進みにくい状況が続いていたのです。法令改正(インボイス制度)への対応を契機に、まずはSaaSでのスモールスタートが可能な経費精算領域からデジタル化を推進。SaaSのメリットを活かし、業務効率改善と法令対応を約1カ月の短期間で実現しました。
【スノボスクール】季節限定アルバイトスタッフ管理を効率化し、以後のデジタル化につなぐ一手に
シーズンによってスタッフ数が大きく変動するスノボスクールでは、従来の紙ベースのタイムカードでは休暇管理や給与計算の工程に混乱が生じがちでした。また、季節スタッフはスクールのインストラクターとしての役割もあり、通常勤務時とレッスン時で給与体系が複数混在することも手動工程では多大な手間がかかり、ミスが発生する可能性もある大きな要因となっていました。勤怠管理システムによるデジタル化(DX)によってまず労務管理の多大な手間とコストを軽減し、今後スクール運営をより効率化・高度化する一手として成果をあげました。
【観光地の飲食店】給与形態が異なり複数店舗もまたぐアルバイトスタッフの複雑な勤怠管理を効率化
観光地で複数の店舗を抱え、アルバイト/正社員の混在だけでなく、勤務場所に応じて1人のスタッフ単位でも給与形態が異なる、かなり複雑な労務管理のケースです。従来は紙タイムカードを集約し、月末にまとめて担当者の手作業と目検でExcel計算しており、これだけで数日かかりきりとなる工程で運用していました。勤怠管理システムを導入したことで手作業、アナログ作業の工程がほぼなくなり、勤怠状況の把握から集計、給与計算までほぼ自動、かつリアルタイムに実施できるようになりました。担当者の負荷が大幅に軽減され、スタッフへの給与支払時短にもつながった事例です。
小規模企業の勤怠管理システムで課題解決!自社に合うツールで業務効率化の第一歩を
本記事では、小規模企業が抱える勤怠管理の課題から、自社に最適なシステムの選び方、そして具体的なおすすめ製品までを解説しました。タイムカードやExcelでの管理は、一見コストがかかっていないように見えて、実は担当者の貴重な時間や見えないリスクを増大させています。クラウド型の勤怠管理システムを導入することで、
- 勤怠集計や給与計算の自動化による業務効率化
- 法改正への自動対応によるコンプライアンス強化
- 正確な労働時間把握による健全な労務管理
といった多くのメリットを得られます。今回紹介した製品の多くは無料トライアル版も用意しています。まずは気になる製品を2~3つに絞り、実際に試してみて、操作性やサポート体制を体感することも成功へ近づくいいステップです。この記事を参考に、ぜひ情報収集の第一歩を踏み出してください。
もし「自社に合うIT製品・サービスが分からない」「どう探せばよいのか分からない」とお困りでしたら、あるいは「おすすめ製品・ベンダーを紹介してほしい」「詳しい人に相談したい」のような希望がありましたら、適切なIT製品・サービス選定に詳しいIT専門スタッフに聞ける・相談できるITセレクトのコンシェルジュ相談サービスを用意しています。ぜひご利用ください。(無料です!)
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