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なわとびから剣舞まで〜第5回ROBO-ONE予選大会第5回ROBO-ONE詳細レポート(3)(4/4 ページ)

» 2004年02月13日 20時09分 公開
[こばやしゆたか,ITmedia]
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  • DYNAMIZER(杉浦富夫)

 「Junior with Family」クラスの「スギウラブラザーズ」の、今日は家でロボットを作っているというお父さんのロボットが、つまりこれだ。

 本人曰く「家庭用のNC工作機」「3次元CAD/GAM装置」でこつこつ作ったというマシンだ。腰にジャイロを積んでおり前後の安定性はそれが制御している。また、BluetoothでPCと通信することで、次に何をするかという動きのスクリプトはPC側に持たせることができている。という風に非常に技術的には高いロボットなのだけど、本の上り下りに失敗した。これが災いして204点で40位に留まってしまった。

  • ARIUS2(SUMY)

 こちらも、「Junior with Family」に引き続いての出場だ。「Junior with Family」のマシンは黄色い「ありまろ2」だったけれど、こちらは青い「ARIUS2」。デザインはよく似ていて、同じように美しい。くちばしもいっしょ。でも、ARIUS2は美しいだけではなく、かなりパワフルだ。片足屈伸をきれいにこなせるのだ。また、この日も操縦はお嬢さんがなさっているというのも、なかなかポイントが高いかも。330点で8位。

  • 力士マン(吉河祥隆 & 三上典秀)

 ロボットの競技会には、「ロボット相撲」という歴史のある大会がある。こちらは二足歩行ではないが、相手を土俵の外に押し出すという勝負を行うのだ。力士マンは、そのロボット相撲の人たちが作ってきた二足歩行ロボットなのだ。そちらでのノウハウがつぎ込まれていそうだ。

 最大の特長は、体重だ。ROBO-ONEに出場するロボットは2〜3キロ程度が主流なのだけど、力士マンは5キロある。この重さは武器だ。軽いロボットでは、いくら押しても自分が倒れてしまうだけだ。

 本の上り下りも、本など全く気にしないかのように乗り越えてしまう。基本的な能力も高い。これはどうなるだろうと思っていたら、256点で28位。予選通過した。決勝ではどういうことになるか、非常に楽しみになった。

  • Ultra-Chopper(佐伯博史)

 人間だけが二足歩行じゃないって登場した恐竜型ロボットだ。首と尻尾で相手を叩く攻撃をする。本の上り下りも無難にこなす。動きもなんだか恐竜っぽいのがいい。ちなみに、腰の左右についている青い部分は、持ち手。336点で7位。かなりいい評価をうけた。

  • Quick turn 2(Hisamitu Miyata)

 足の裏が横倒しにした車輪になっている。歩くときは車輪の側面が地面につくことになるわけだ。その地面についている足の裏を半回転させることで、反対側の足を前に出して前に進んでいくという形になる。回転角度を変えれば向きも変わるし、片足で立ってのその場回転もOK。また、足の裏を傾けて車輪が地面に斜めに接するようにすれば、車輪での移動も可能。

 なかなか優れた機構のロボットだったのだけど、228点で36位で予選通過ならず。

  • 2325-RX(九州大学ヒューマノイドプロジェクト)
動画はこちら(0.9Mバイト)

 前大会でバックドロップ(*9)を決めたあのロボットの最新型だ。今回もいきなり大技を見せてくれた。足の速さも健在。今回は「指」がついたということで、手で物を持てるようになった。デモンストレーションでもそれを使った演技を見せるはずだったのが、無線トラブルで半分しかできない。それでも、354点で5位で予選通過。

動画はこちら(1.7Mバイト)

 できなかった演技は、エキゼビションという形で最後にもう一度見せることになった。それがこれ。巻かれた布の端を手に持って向こう側に投げて敷くというわけだ。

  • OmniStriker(前田武志)
動画はこちら(0.8Mバイト)

 前回準優勝のロボットの進化形だ。前回はボールを投げるという技を見せたけど、こんどはボールを手で拾って、それを足で蹴るという技を見せる(*10)。さらに、腰に付けた剣を抜いて、剣舞を行い、最後に剣を腰に戻す(すごい!)という演技だ。運動性能は相変わらず高い。この剣は実戦では使えないのだけれど、その代わりとなるのが、伸びる右腕だ。これで、かなり広い範囲に攻撃ができる。

動画はこちら(1.7Mバイト)

 本の上り下りも魅せる。下に箱を置いて本10冊分の高さに上って下りてしまうのだ(*11)。最後にちゃんとオチをつけるのも憎い。406点で、堂々の予選1位。

 決勝に進んだマシンは、改めて紹介できるから、今日はできるだけ予選通過できなかったマシンを取りあげようと思ったのだけど、やっぱり面白いと思うマシンは予選通過しちゃうようだ。紹介できなかったマシンはごめんなさい。

 決勝が楽しみだ。


*9 そのときの記事で「バックブリーカー」と書いてしまったけど、これは「バックドロップ」でありました。いまさらながら訂正します。ごめんなさい!
*10 最初に置かれたボールがちょうど柱の影になってしまった。すみません。
*11 「目測15センチ」というアナウンスが入るけど、それは大げさ。10センチだ。

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