1位 「HDDウォークマンは半年、1年でiPodを追い抜く」――ソニー・安藤社長
3位 25年の技術を結集――30時間再生“世界最小”HDDウォークマン
5位 過酷なクルマの中でも“美しい映像”――これからの車載用ディスプレイ
7位 新時代のスタンダードになるか?――“新MD”「Hi-MD」を試す
10位 CD/DVDの山積みとはオサラバ――ディスク収納・管理システム「Disc Stakka」
先週はソニーからとうとう発表された“HDDウォークマン”の記事が複数ランクイン。ポータブルオーディオの代名詞とも言える“ウォークマン”ブランドで投入された初のHDD搭載製品だけに、HDD搭載オーディオプレーヤーとして先行する「iPod」を意識したソニー・安藤社長の発言が注目を集めた。
このHDD搭載ウォークマン「NW-HD1」、20GバイトのHDDに最大約1万3000曲を収録できるとしている。これに対して「誤解を招きかねない」とクレームを付けたのが、当然ながらAppleだ。
同社の主張は、「NW-HD1がiPodの半分の容量で、iPod以上の曲数を持ち運べるというソニーのPRは、48kbpsのATRAC3を利用したときのもの。iPodは128kbpsのAACを利用しており、単純に比較できるものではない」というものだ。
iPodは曲数のカウントに際して128kbpsのAACを標準値として使用しており、NW-HD1と同じ20GバイトのHDDを搭載したiPod(M9244J/A)は最大約5000曲が収録可能(1曲4分で計算・40GバイトのHDDを搭載したM9245J/Aならば最大1万曲が収録可能)。ビットレートの差を無視した単純に曲数を比較されては困る、ということだ。
NW-HD1で利用可能なビットレートは、48/64/256kbpsのATRAC3plusと66/105/132kbpsのATRAC3。ビットレートと収録可能曲数・時間を表にすると以下のようになる。
ビットレート | 曲数 | 収録可能時間 |
---|---|---|
ATRAC3plus 48kbps | 約13000曲 | 約917時間10分 |
ATRAC3plus 64kbps | 約10000曲 | 約683時間20分 |
ATRAC3plus 256kbps | 約2500曲 | 約172時間50分 |
ATRAC3 66kbps | 約10000曲 | 約669時間10分 |
ATRAC3 105kbps | 約6000曲 | 約422時間50分 |
ATRAC3 132kbps | 約5000曲 | 約334時間40分 |
※1曲4分で計算
ATRAC3 132kbpsでNW-HD1に録音を行えば、iPod(20Gバイト)とほぼ同等の収録曲数となるが、ATRAC3よりも高圧縮が可能なATRAC3plusならば、同ビットレートでより圧縮率を高めることができるはず。64kbpsの上が256kbpsというのは不自然な感が否めない。筆者がレビュー記事で「ATRAC3plus 128kbps」という設定があれば、ビットレートと録音時間のバランスが良かったのでは、と述べたのは、そうしたことがあったからでもある。
ビットレートの設定に不可解な点もあるが、NW-HD1には後発ならではの注目すべき点も多い。1.8インチHDD搭載モデルで世界最小/最軽量(同社)という携帯性の高さや、約30時間の電池寿命などは万人に歓迎されるところだろう。「(iPodについて)電池寿命や検索性、操作性など、われわれの目から見ればまだまだ手を入れるところはある」(安藤社長)というだけのことはある。
ウォークマンの発売開始から25年が経過したが、依然として「ポータブルオーディオ=ウォークマン」というイメージは崩れていない。NW-HD1に対する関心の高さは、そのことを示していると言えるだろう。
「“やっぱりソニーが5割のシェアを握ったか”と言われる世界がすぐに来ると思う」とは安藤社長のコメントだが、iPodがダントツのトップシェアを誇るHDD搭載オーディオプレーヤー市場に“ウォークマン”がどれだけのインパクトを与えるか。その結果は間もなく明らかになる。
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