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» 2004年07月21日 10時11分 公開

インタビュー:ユーザー・音楽業界へ一石を投じる存在に――エニーミュージック 野口社長 (3/3)

[渡邊宏,ITmedia]
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 インターネットを利用した音楽配信サービス、CD販売は今に始まったことではない。FM放送もまた然りだ。

 「日本では1999年にbitmusicが音楽配信を開始していますが、当時はブロードバンドが普及していたわけでもなく、そう簡単にブレイクすることもないだろうと思っていました。しかし、コンテンツ配信サービスは徐々に浸透していますし、“使ってみると便利だな”というところまでは来たと思います。まだ、もうひとつのブレイクが必要なのではと考えています」

 「つまり、配信サービス対応機を購入した後、そのサービスを生活に組み込み、馴染ませていく。そうしたことが求められるのではないかと思います」

 ブロードバンド環境の普及や対応機器の登場など、音楽配信サービスを取り巻く環境は、ユーザーが望めば手にできるところまで整備が進んだ。ただ、そのサービスを日常のものとしてユーザーが捉えるところまではなっていない。野口氏は現状をそう把握する。そのために、既存のサービスを“使い勝手”というパッケージで包んだのがエニーミュージックなのだ。

 そして、野口氏もうひとつの問題としてあげるのが、音楽流通の問題だ。現在ではトラック単位までの管理が可能な業界標準のコンテンツIDのようなものが存在してないため、同社のようにアルバム単位でも1曲単位でも1つのコンテンツとして流通させようとする場合には、サービス提供元が逐一マッチングを行う必要がある。

 「コンテンツIDのような仕組みがないと、PCを含めた、音楽の楽しみ方の広がりを持たせることは大変です。パッケージ流通しかなかったところへインターネット配信という新しい形が登場したとき、そこにどのように対応していくか、対応が求められますね」

 「やりたいことはもっといっぱいあります」。野口氏はインターネットを介した音楽流通について更なる意欲を見せる。しかし、コンテンツ流通などバックヤード部分の整備を業界全体で進めていかないと、新しいサービスを始めようとする企業も投資効果の計算に追われてしまい、新サービスに対して及び腰になりかねない。

 そうした状況に対して、一石を投じる存在となりうるのがエニーミュージックだ。「エニーミュージックが大きくなれば、周りを牽引できる存在になると思うんです。事業をスタートしてから気が付いたのですが、新しい音楽流通の仕組みについて、考えを持っている人はたくさんいるんです」

 「波紋は生まれています」野口氏がいうように、エニーミュージックはユーザーの意識と音楽流通へ一石を投じる存在として、これからも進化を続けていくことになるだろう。

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