ソフトバンクBBは10月4日、FTTHサービス「Yahoo!BB 光」の申し込み受け付けを10月5日に開始すると発表した。NTT局舎からのアクセスラインは最大1Gbpsで、最大32ユーザーで共有する「GE-PON」方式を採用。1ユーザー当たりの接続速度は上り/下りとも最大100Mbpsと数値上は他社と変わらないが、既存サービスに比べ高速かつ安定した接続が可能だとしている。
まず新規のみ、政令指定都市(約300局舎)を対象に申し込み受け付けをスタート。12月1日から既存Yahoo!BBユーザーのサービス変更受け付けも始める。来年1月には全国約1500局舎に拡大する計画で、これは「NTT東西のBフレッツと同等」(同社)。
月額料金は、戸建てユーザー向けの「ホーム」が、端末利用料などを含め合計7234円(税抜き6890円)、「ホーム」のBBフォン付きが合計7633円(同7270円)。初期費用は2100円(同2000円)。標準工事費は同社が負担する。BBフォンは当初は050番号のみを提供。東京03など「0AB−J番号」のBBフォンは来春提供開始する。
11月30日までに申し込んだユーザー向けに、初期費用とホーム利用料金最大2カ月間を無料とするキャンペーンを行う。
「ホーム」の料金の内訳は以下の通り(税込み)。
メニュー | Yahoo!BB 光 ホーム | Yahoo!BB 光 ホーム BBフォン付き |
---|---|---|
基本料 | 4410円 | 4809円 |
光ターミナル一式使用料 | 1050円 | |
ISPサービス料 | 1354円 | |
光BBユニットT1レンタル料 | 420円 | |
BBフォン通話料 | − | 従量制 |
合計 | 7234円 | 7633円 |
集合住宅向けの「マンション」メニューは、月額料金は8−15戸加入タイプで3885円(同3700円)、16戸以上加入タイプで3675円(同3500円)。VDSLモデムレンタル料、光BBユニット料が各月額840円(同800円)。
ADSLサービス発表時ほどの価格インパクトはないが、「地域や期間などを限定したさまざまなキャンペーンを展開して差別化を図る」(孫正義社長)という。ADSLサービスからの乗り換えプランも用意する。
NTT局舎からユーザー宅までの光ファイバーはNTT回線を活用する。同社はNTT局舎内に新開発のハードを設置してGE-PONシステムを構築し、アクセスラインを1Gbps化した。バックボーンは最大60Gbpsを確保している。
GE-PONは「ギガビットEthernet−PON」の意味。ユーザー宅までの光ファイバーを複数ユーザーで共有するPON(Passive Optical Network)に、ギガビットEthernet技術を取り込むことでPONの最高速度を10倍に高める技術だ。NTTも年内の導入を計画している(関連記事参照)。
以前からFTTH参入が噂されながら、なかなか発表に至らなかったのは「技術的な問題と、NTT東西とのアクセス回線借り受け契約に時間がかかったため」(孫社長)。NTT東日本とは7月末に契約、NTT西日本とは先週金曜日になってやっと契約できたという。
「NTT地域会社は従来、FTTH業者に回線と機器をセットで提供していた。しかし、独自機器を使用しないと価格や速度で差別化できないため、NTTを理詰めで説得。回線だけを借り受けるアンバンドル契約にこぎつけた」(孫社長)。
バックボーン回線は、ADSLサービスのものを増速して利用するほか、子会社化した日本テレコムの長距離ダークファイバーを使うことでコストを抑えた。
都内で会見した孫社長は「3年前のADSL参入当時、FTTHはナンセンスだと思った。当時のNTTのサービスは10Mbps。それを最大32人で共有する仕組みで、1ユーザー当たりの速度は遅くなってしまう。そして今、ソフトバンクは1Gbpsの世界初・世界最高速のサービスを始める。これで意味のある速さになった」と話した。
また、顧客獲得目標については、「2005年9月までに600万ユーザー獲得という目標は、実はADSLとFTTHユーザーを合計したものだった。FTTHでもADSLと同等のシェアを狙う。もしそれが達成できなかったら、制度上の妨げがあったか、何かしらの問題を押し付けられたということだ」とした。
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