ITmedia NEWS >

「スゴ録」をさらにスゴくした「CXD4702BG」て何?インタビュー(1/3 ページ)

» 2004年11月30日 21時51分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 ソニーが2004年秋の「スゴ録」シリーズに搭載した自社製コーデックチップ「CXD4702BG」。最先端の90ナノプロセスで製造されるこのチップは、MPEGエンコード/デコードだけでなく、スゴ録が搭載した多くの特徴的な機能を実現する極めて多機能なLSIだ。デジタルレコーダーでは他社製コーデックチップを採用することも珍しくない状況の中、なぜソニーは自社製にこだわったのか。開発陣に話を聞いた。

photo 新スゴ録に搭載された「CXD4702BG」

 今やデジタルレコーダー市場で確固たるブランド力を築いたソニーの「スゴ録」シリーズ。その原動力になったのは、間違いなく地上波EPGの搭載だ。しかし、そのEPGも今やデジタルレコーダーのマストアイテムになりつつあり、2004年秋の新モデル(以下新スゴ録)には、当然ながら新たな魅力が必要だった。

 そこで同社は、キーコンポーネントとして「CXD4702BG」を採用するのだが、まずはマーケティング面から、なぜ「CXD4702BG」が必要だったのか、聞いてみた。

 「ソニーはClipOnやCoCoonでデジタルレコーダー市場には早くから参入していましたが、ご存知の通り、現在主力のHDD+DVDハイブリッドレコーダーへの参入は遅れました。昨年発売したスゴ録は、EPGや“おまかせ録画”の採用でヒット製品となりましたから、新スゴ録でも当然、この2点はまず抑えて、さらに強化した“おまかせ録画”機能や番組追跡録画機能を搭載したわけです」(ソニービデオ事業本部商品企画部商品企画1課の梶原隆史係長)。

photo ソニービデオ事業本部商品企画部商品企画1課の梶原隆史係長。新スゴ録の製品企画を担当

 「画質という面では、2Passエンコードも好評を得ました。もちろんこれも継承して、画質面ももっと頑張ろうと。このために採用したのがCXD4702BGで、予約録画機能以外の新機能の多くはCXD4702BGが実現しています。CXD4702BGの開発自体は新スゴ録より早い時期から始まっていたのですが、新スゴ録のためにいろいろ機能を合わせ込んでいった面もあります」(ソニー、ホームエレクトロニクスネットワークカンパニーAVシステム設計部6課の新田元統括課長)。

photo ソニー、ホームエレクトロニクスネットワークカンパニーAVシステム設計部6課の新田元統括課長は、「Clip-on」などのデジタルレコーダー開発を担当してきた。新スゴ録では開発リーダーを務める

 CXD4702BGを搭載したのは新スゴ録のみ。発売時期が重なる同社のPSXにも採用されていないし、現状では外販の予定もないという。今後のことはともかく、CXD4720Bはまさに新スゴ録に新しい魅力をもたらすために開発されたLSIと言えそうだ。

「スゴロジック」を実現したハイブリッド機能

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.