「スゴ録」をさらにスゴくした「CXD4702BG」て何？：インタビュー（3/3 ページ）

[坪山博貴，ITmedia]

　一方、決して派手ではないが、新スゴ録の新機能で実用的なのが、「おまかせチャプター」だ。録画中にシーンチェンジを適切に判断し、自動的にチャプターを設定してくれる。ステレオ放送のドラマでも、本編とCMが切り替わる部分にかなり高い確率でチャプターを設定してくれるため、CMカットにも便利だ。

　「おまかせチャプターは、CXD4702BGの特徴点検出という機能で実現しています。映像だけでなく音も検出に利用していて、さらにドラマ、音楽番組など番組内容に応じて異なる変化パターンを解析して、シーンチェンジを検出しています。ドラマなら本編の開始、終了点、大きな場面変換点、音楽番組なら曲の開始点などにチャプターを自動設定してくれます。エンコードと検出機能が1チップ化されたため、高度な解析が可能になったといえるでしょう」（新田氏）。

「やりたい事を実現するために」

　「結局のところ、製品でやりたいことを実現するには、自社でチップを起こすしかなかったということだと思います。多機能にするとチップ数を減らせますし、低消費電力も実現できます。開発費を考慮しても最終的には低コスト化も見込めるはずです」（新田氏）。

　映像と音声のエンコード/デコード、ノイズリダクション、ATAコントローラまで統合した極めて多機能なLSIであるCXD4702BG。これが他のメーカーならばコストメリットが第一という答えが返ってきそうだが、理想の製品を実現するために必要だから作った、という辺りはいかにもソニーらしい。

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　本題からは外れるが、新スゴ録で強化された「おまかせ録画」や新機能である「番組追跡録画」を考えると、やはり気になるのが他社で採用が進みつつある“ダブルチューナー”モデル。梶原氏によると「需要は見込める製品だと思いますが、TV録画機能を充実させたことで今年は他社と十分に戦えると思っています。今の段階ではまだ出しません」。しかし、投入時期は未定だが、当然「検討はしている」とのことで、実現すればスゴ録はさらに魅力的になりそうだ。

　さらに、新PSXに採用されている学習機能が搭載されれば、未だに熱狂的なファンが多いCoCoonの後継にもなるはず（CoCoonの今後は不明だが新モデルの投入が止まっているのは事実）、今後のスゴ録にも大いに期待ができそうだ。