韓国のSamsung Electronicsはこれまで製造された中で最大と称する有機ELディスプレイのプロトタイプを開発した。
有機ELは以前から、向こう数年以内に幾つかの用途で液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイパネル(PDP)に取って代わる技術の候補とされている。有機ELはバックライト不要なためLCDよりも消費電力が少なく、高速な動画に対する反応も速いと有機EL支持者らは主張する。このため有機ELは携帯機器メーカーやフラットパネルTVメーカーにとって魅力ある技術となっている。
しかし有機EL技術の開発は、まだ大量生産が可能な段階にまで達していない。唯一の例外が、携帯電話、デジカメ、PDA向けの数少ない小型ディスプレイだ。
Samsungの有機ELディスプレイは21インチの大きさで、解像度はWUXGA(Wide Ultra Extended Graphics Array)。輝度は400カンデラ/平方メートル、コントラスト比は5000対1で、高解像度ビデオの表示に適したものになっているとSamsungは述べている。
このディスプレイの製造プロセスには一部のLCDの製造にも使われるアモルファスシリコン(a-Si)技術を採用しているため、Samsungの既存の製造ラインで量産できるかもしれないと同社は語っている。
現時点では量産は検討中だとSamsungの広報担当チョウ・スー・イヨン氏は話している。
2004年には日本のセイコーエプソンが、40インチの有機ELスクリーンのプロトタイプを開発した(5月18日の記事参照)。セイコーエプソンのスクリーンは1枚のパネルではなく、20インチパネルを4つ組み合わせたものであるため、Samsungは、同社の最新プロトタイプは大きさの点で勝っていると主張している。
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