ソニー、3.8型フルカラー有機ELパネルを量産

» 2004年09月14日 15時00分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 ソニーはフルカラー有機ELディスプレイの量産を開始した。9月25日から発売される同社製PDA「CLIE PEG-VZ90」に搭載される。3.8型で26万2144色表示。解像度は480×320ピクセル(ハーフVGA)。

 ソニー製の有機ELディスプレイが製品化されるのは初めて。同社はディスプレイの研究について、有機ELとFED(フィールドエミッションディスプレイ)に経営資源を集中している。「有機ELは中−小画面、FEDは大画面の薄型テレビに適している」と判断(2002年8月21日の記事参照)、PDA向けにまず第1弾が登場したかっこうだ。

 「有機ELパネルはまずはモバイル機器向け。中大型化は未定」(ソニー)

 量産は豊田自動織機とソニーの合弁会社であるエスティ・エルシーディー内で行う。量産規模は明らかにしていない。

動画アプリケーションに最適な有機EL

 有機ELディスプレイは、有機材料に電流を流すことで自発光するディスプレイ。液晶ディスプレイと異なりバックライトが不要なため、薄型化が容易とされている。同パネルは2.14ミリの厚さを実現した。

 また自発光であることから、動画など動きのある映像でも残像が少なく、優れた応答性を持つ。ソニーによると、同社製液晶が応答速度16ミリ秒以下なのに対し、有機ELパネルは0.01ミリ秒以下。

 有機ELは各社が製品化を進めているが、ソニー製パネルの特徴はTop Emission方式(2003年10月29日の記事参照)を採用したこと。上部電極から光を取り出すことで、開口率を上げ、150cd/m2という高輝度を実現している。

通常のTop Emissionに加え、反射光による多重干渉を実現することで、色純度の高い発光を可能にする「キャビティ(多重反射干渉)構造」を採用した。ソニーではこれをSuper Top Emission方式と呼んでいる

 なお、輝度や材料の寿命と密接に関係ある、消費電力については公表していない。同パネルを搭載したCLIEで動画再生を行った場合、2600mAhバッテリーを使い最大輝度時で連続4時間の動作が可能。輝度を落とすことで、連続12時間の再生動作が行えるとしている。

 有機ELの課題の1つである寿命も明らかにしていないが、「液晶と遜色ない期間になっている」(ソニー)。劣化や消費電力を抑えるため、CLIEではメニュー画面などの色調を黒をベースとしたものに変更した。また5分間操作がなければ自動で消灯する仕組みになっている。各色の材料劣化による色変化に対応するため、色調整メニューも備える。

項目 有機ELディスプレイ
画面サイズ 対角97ミリ(3.8型)
表示色数 26万2144色
輝度 150cd/m2
応答速度 〜0.01ミリ秒
色再現性 約100%(同社製液晶は約40%)
視野角 上下約180度、左右約180度
コントラスト比 約1000:1(同社製液晶は約100:1)

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