総務省有識者会議が「手のひら返し」な我が国への示唆――日本を国際標準から遅れさせたのは自らの愚策のせい:石川温のスマホ業界新聞

» 2026年02月08日 14時30分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 2026年1月31日、総務省において「情報通信行政・郵政行政審議会 電気通信事業部会 市場検証委員会 利用者視点を踏まえたモバイル市場の検証に関する専門委員会(第3回)」が開催された。

 一般社団法人テレコムサービス協会MVNO委員会、オプテージ、一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会がプレゼンを実施。またNRIの北俊一シニアパートナーが「諸外国におけるスマートフォン販売手法と我が国への示唆」という説明を行った。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2026年1月31日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。


 ハッキリ言って、「ここまで手のひら返しするのか」と呆気にとられてしまった。

 アメリカなどでは上位プランに加入すると端末が「実質ゼロドル」になるなどの割引が受けられる。割引も毎月の支払額に対して行われるというものだ。24か月契約などが条件で、途中で解約、プラン変更した場合は割引停止や残価の一括払いが求められる。

 NRIの資料では「料金プランに応じた割引はグローバル・スタンダードであり、事業法第27条の3等の見直しに当たっては大いに参考にすべき」と結んでいる。

 海外における「料金プランに応じた割引」は、事業法を改正しようとしていた2019年頃から「グローバル・スタンダード」だった。NRIは何を今さら、日本が世界から遅れているような意見を述べるのか。

 それと、海外キャリアのホームページを調べて、プレゼン資料をまとめるなんてGensparkなどのAIに任せられる仕事ではないか。

 これまで、十数年に渡って通信料金の値下げを実現するという目標に向かって、端末と料金を分離し、さらに割り引きできる金額に上限を設け、下取り価格に口を出し、期間拘束を認めないなど、「机上の空論」ばかりで、通信業界に無駄で現場の負担ばかり増える規制を導入してきたという反省はないのか。

 今回の会議では「端末購入プログラム」についても、問題点が指摘されていたが、そもそも総務省が無意味な規制を導入していなければ、複雑怪奇な端末購入プログラムなんて導入されなかっただろう。

 キャリアの苦肉の策で端末購入プログラムを生み出させ、グローバル・スタンダードから日本を遅らせたのは総務省の愚策のせいだ。

 毎月、高額な料金プランを支払うユーザーは端末割引で優遇され、廉価でシンプルなプランを契約している人には割引はない。これほどわかりやすく平等な立て付けは他にない。

 「規制を設けないと過度な割引が横行する」と文句を言う人がいるが、過度な割引で自滅するのはキャリアの方だ。

 なぜ、総務省はそこまでキャリアを甘やかすのか。いまこそ、規制を撤廃して、自由に競争させるべきだろう。

© DWANGO Co., Ltd.

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