KDDIの松田浩路社長は2026年2月6日開催の「2026年3月期第3四半期決算説明会」にて、2026年9月に期限を迎える楽天モバイルとのローミング契約に言及した。質疑応答の中で松田氏は、自社エリアとの重複が確認された場所については、「順次切っていく(終了する)」との提案を行う方針を明らかにした。
質疑応答で、2026年9月以降のローミング契約の方向性を問われた松田氏は、楽天モバイルとの関係性を「競争と協調」と表現しつつ、現在は期限後の扱いについて協議中であるとした。
その上で、今後の判断材料の1つとして、1月27日に楽天モバイルで発生した通信障害に言及した。これはNTT東日本のデータセンターの電源トラブルを原因とし、同日14時頃から20時24分頃まで続いたものだが、松田氏は「その時にかなりわれわれの方にトラフィックが流れてきていたことを確認できている。逆に言うと、エリアが重複しているということ」と指摘。緊急時のデータ流入が、皮肉にも両社のエリアが重なっていることの証明になったとの認識を示した。
NTT東日本のデータセンターの電源障害の影響を原因とする、関東の一部における通信サービスの利用不可または利用困難な状況が、2026年1月27日14時頃から20時24分頃まで続いた楽天モバイル(出典:楽天モバイルの案内文)松田氏は「(エリアが)作られた部分に関しては、われわれからは(終了の)提案をする考え方だ」と述べ、楽天モバイル側の自社回線構築が進んでいるエリアについては、予定通りローミングを縮小していく意向を強調した。
両社のローミング契約は、楽天モバイルの基地局整備が不十分なエリアをKDDIが補完する形でスタートし、当初の期限から「2026年9月まで」に延長されていた。しかし、KDDI側にとってこの契約はあくまで一時的な支援策であり、松田氏も過去の会見で「中期経営戦略において、ローミング収入は収益源として考えていない」と明言している。
対する楽天モバイルは、KDDIへの依存脱却に向け、2024年6月から「プラチナバンド(700MHz帯)」の運用を開始。障害物に強いこの帯域を、既存の1.7GHz帯と併用することで、地下や屋内でのつながりやすさ改善とエリア展開の加速を図っている。
また、同社は電波改善フォーム、SNS、コールセンターに寄せられた「つながらない」という声に対し、専門チームによる24時間モニタリングを実施。「●駅の●番出口」といった具体的な指摘に対し、3分以内に今後の改善予定などを回答する体制を敷くなど、品質改善への姿勢をアピールしている。
2026年9月の期限に向け、KDDIが示唆した「重複エリアのローミング終了」。楽天モバイルの自社回線整備が、ローミング縮小のペースに追いつき、ユーザーの体感品質を維持・向上できるかが今後の焦点となる。
au新料金プランが好発進、UQ mobileは「ミニミニ」新規終了で解約率改善へ KDDI決算で見えた"上位シフト"戦略
KDDIは料金値上げも「循環経済の好循環」を目指す、「5G優先接続=既存ユーザーが犠牲」発言に反論も
au Starlink Directの通信品質が改善したワケ 競合キャリアを大きくリード、データ通信は間もなく?
auの通信が速くなる「優先レーン」サービスを試す 混雑時にどれだけ効果が出た? 適用/非適用スマホで比較
auの既存プランが最大330円値上げに au海外放題やau 5G Fast Laneがセット、既存ユーザーにも適用Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.