世界を変える5G

auの通信が速くなる「優先レーン」サービスを試す 混雑時にどれだけ効果が出た? 適用/非適用スマホで比較:石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2025年07月05日 06時00分 公開
[石野純也,ITmedia]

 KDDIは、7月1日に「au 5G Fast Lane」のサービスを開始した。これは、5G SAを契約しているユーザーの通信を文字通り“優先レーン”に乗せる仕組みで、混雑時に速度低下の影響を受けづらくなるのがメリットとなる。同サービスは、現在、新料金プランの「auバリューリンクプラン」や以前から提供されてきた「使い放題MAX+ 5G」での利用が可能だ。

 データ容量無制限でかつ、料金の高いユーザーをコンテンツなどのサービスだけでなく、通信面でも優遇する取り組みといえる。では、実際、au 5G Fast Laneが適用された端末と、そうでない端末にはどの程度の違いがあるのか。東京23区の複数箇所でスピードテストを行い、その効果の度合いや今後のサービス設計に与えそうな影響を考察した。

au 5G Fast Lane KDDIは、7月1日からau 5G Fast Laneを開始した。6月に導入されたauバリューリンクプランなどで利用できる

対象料金プランのユーザーを優先制御、混雑時の速度向上が見込める

 au 5G Fast Laneは、対象となるデータ容量無制限の料金プランを契約し、かつ契約種別が「5G SA」になっている場合に適用される。端末側も、5G SAに対応している必要がある。KDDIによると、料金と契約種別、さらに端末がそろっていれば、実際の通信が5G SAである必要はなく、4Gとの組み合わせ使う5G NSAでも効果が発揮されるという。この条件がそろえた上で、別途サービスの申し込みが必要になる。

au 5G Fast Lane 5G SA契約で、かつ対象の料金プランが適用されており、5G SA対応端末を利用する必要がある。その上で「My au」からの申し込みをする

 優先レーンというと意味が分かりづらいかもしれないが、このサービスは、対象となる端末に無線のリソースを多く配分するという基地局側の制御で成り立っている。4Gや5Gでは、無線をリソースブロックと呼ばれる細かな単位に分割して、それを端末に割り当てることで通信が行われている。同じ基地局配下に複数の端末があると、1台1台に割り当てられるリソースブロックは少なくなる。

 ただし、接続している端末が常時割り当てられた、リソースブロックを占有していたりするわけではなく、ダウンロードやアップロードが終わると開放され、別の端末に割り当てが増える。これによって、複数の端末が一斉に通信しても、それをさばくことが可能になっている。この制御がWi-Fiとの大きな違いで、一斉に複数の端末が接続しても、(ある程度までは)きちんと通信が継続できるのはそのためだ。

au 5G Fast Lane 混雑時に無線リソースをより多く配分することで、通信速度を向上させたり、安定させたりする効果がある(写真左)

 一方で、これまでは、どの料金プランでもある意味平等にリソースブロックを管理、割り当てていたが、KDDIはau 5G Fast Laneでここに手を加えた。あくまで相対的にだが、auバリューリンクプランや使い放題MAX+を使う5G SA契約のユーザーにだけリソースブロックを多く割り当てることで、通信の快適さを向上させる。同じようなトラフィックのデータ通信をしようとした場合、au 5G Fast Laneの方が作業は早く完結する。

 “相対的に”というのが鍵で、非対応端末に割り当てるリソースをゼロにしてしまうわけではない。イメージとしては、5:5だったのを6:4なり7:3なりに変えるような形で、10:0になるわけではないため、au 5G Fast Laneに対応していなくても、通信自体は継続できる。正式提供に先駆け、KDDIが行ったフィールドトライアルでは、山手線乗車時の速度が1.8倍、大阪・関西万博会場での速度が2.2倍に向上する効果が得られたという。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月10日 更新
  1. 資産3000万円以上が対象 MUFG「エムット」最上位サービスと“年会費無料”アメックス・プラチナの魅力とは (2026年10月08日)
  2. 「iPhone 18 Pro Max」を試して分かった進化と課題 想像以上に“使えた”可変絞り搭載カメラ (2026年10月09日)
  3. ダイソーで1100円のノイキャンイヤフォン「TWS009」を試す 騒音カットの効果は実感も電池持ちに課題か (2026年10月09日)
  4. 楽天モバイルの「ローミング継続」条件は本当に「エリア外」だけ? 2社のマップから見えた“食い違い” (2026年10月08日)
  5. ソニーが小型マイク「ECM-AX10」発表 スマホに挿して立体的で臨場感のある音の収録を (2026年10月09日)
  6. 富裕層向けカードの潮流が変化 アメックス、三井住友、ダイナース、ラグジュアリーカードが狙う“特別な体験価値”とは? (2026年09月22日)
  7. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  8. 【ワークマン】2900円の「防水カジュアルバッグ」 シームテープ&YKK止水ファスナーで悪天候でも安心 (2026年10月09日)
  9. Boseが有線イヤフォン市場に再参入 ノイキャン搭載で約1.7万円の「Bose Noise Cancelling Wired Earbuds」 (2026年10月08日)
  10. 新コード決済「teppay」はどこで使える?  エキナカ施設からコンビニ、ファミレス、ECまで一挙案内 (2026年10月07日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー