動画撮影に関しては、XTRA、FINE、STDの3モードが用意されており、それぞれビットレートが最大10Mbps、6Mbps、3Mbpsとなる。「DCR-DVD403」でも、平均9MbpsのHQモード、平均6MbpsのSPモード、平均3MbpsのLPモードと同様の設定だが、すべて可変ビットレートだった。この製品ではXTRAのみ可変ビットレートで、FINE、STDは固定ビットレートである。また、表記上で“標準”としているのは固定ビットレート3Mbpsのわけだが、このモードを常用するのはちょっとつらいだろう。最大でも18分しか撮影できないが画質優先ならXTRAを選び、最低でもFINEを利用したほうがよいと思う。
静止画撮影に関しては、SDメモリカードへはもちろん、DVD-RAMへも1600×1200ピクセルでのJPEG記録が可能だ(DVD-VR規格静止画も別途、同時記録される)。SD記録では画質をFINE、NORM、ECOから選択する。これはファイルサイズ制限による分類で、それぞれ1024K、768K、512Kバイト以下に圧縮される。DVD-RAMへの静止画記録の場合は画質切替はなく、常に最高画質で保存される。
撮影された映像を確認すると、動画、静止画とも、ちょっとクセのあるカラーバランスのようだ。ノイズも散見される。特に屋外で撮影した場合、一見して、やや赤が強く青が弱い印象。全体に色ノリは非常にいいのだが、色のバランスには首を傾げる人もいると思われる。もちろん、手動でホワイトバランスをとれば、問題は少ないのだが。
全体に見ると、従来のMVシリーズと比較すれば、さらなるコンパクトサイズを実現しつつ、CCD画素数の向上、初代以来となる内蔵フラッシュの装備など、見るべき点は多い。しかし、ほかのDVカメラやDVDカメラと比べた場合、突出した魅力がないのも事実だ。画素数だけでいえば、もっと高い機種はすでにあるし、最近ではフラッシュばかりか、動画撮影時にも使えるビデオライトまで内蔵しているビデオカメラも多い(本機でも液晶モニターを反転させて、明度を補うローライトモードはあるが)。メニュー操作に関しても、特に使いやすいとはいえないだろう。
ただし、使い勝手の面において、DVD-RAMというメディアの優位点は依然として高い。PCとの連携においても、対応ドライブを装備したマシンでなくても、USB(2.0対応)で接続すれば、そのままDVD-RAMドライブとしてマウントされる(何に使うかと問われると困るが、ファイルの読み込みだけではなく、書き込みも可能だ)。静止画ファイルはDCMIディレクトリ下にあるので、コピーはエクスプローラ上で行えばいいし、動画の管理・編集やMPEG2ファイルへの変換も、付属ソフト「DVD-MovieAlbumSE 4」を起動し、設定画面で対象ドライブとして本機を指定すれば、直接処理を実行できる。
DVD-RAMメディアを使用しながら、極限まで本体を薄型化し、2.1メガCCDも搭載した「DZ-GX20」は、さらにコンパクトさを極めた「DZ-MV780」とともに、DVDカムWoooとしては一定の到達をなしたモデルではある。あとは、今後の熟成が望まれるところだ。
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