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手ブレ軽減&生活防水の世界最小8メガ機「μDigital 800」レビュー(1/6 ページ)

» 2005年06月27日 17時58分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 とうとう1/1.8インチのCCDが800万画素に達し、リコーの「Caprio GX8」とオリンパスの「μDigital 800」がいち早く採用してきた。2003年に一回り大きな2/3インチが800万画素になったと思ったら、次は1/1.8インチである。使う側として、そんなに画素数を増やして大丈夫だろうかと心配になるほどだ。

 そのμDigital 800だが、ぶっちゃけた話、「いち早く800万画素に達したコンシューマ向け生活防水コンパクトデジカメ」というトコロに目が行きがち。だが、この製品にはけっこう贅沢なデバイスが使われていたり、注目すべき新しいアイデアがいくつも盛り込まれていて、非常に興味深い。その中でも特に評価したいのが「(高感度による)ブレ軽減機能」と「(各種)ガイド機能」である。今後のトレンドになりかねない「ワザ」なのだ。

画素混合を使ったISO1600の高感度とブレ低減機能

μDigital miniのコンセプトを受け継いだ曲面を多用した滑らかなスタイル。表面処理はきれいでつややかなのがいい。ただ、ずんぐりしてる分大きく感じる

 μDigitalのハイエンドモデルになるμDigital 800は、つややかな質感と滑らかな曲面を備えたちょっとよさげなモデル。CCDは1/1.8インチの800万画素で、本体は103(幅)×57.5(高さ)×33(奥行き)ミリ・重さ181.5グラムというサイズだ。

 「800万画素として世界最小最軽量」というウリ文句で登場したが、1/1.8インチCCD搭載機というくくりで見ると、それほど小さいわけではない。最近の薄型デジカメを見慣れた目からはずんぐりして大きく見えるかも。

正面から見ると上面も左右もまっすぐではないのが印象的。レンズは8〜24ミリ(38〜114ミリ相当)の沈胴式3倍ズームレンズで、繰り出し速度は速い
レンズ収納時はレンズカバーがフラットになっている。撮影時はレンズカバーが少し沈んで収納されるため、ボディがちょっと厚いが、処理はきれいで見事だ

 レンズは38〜114ミリ相当の3倍ズームで沈胴式。明るさはF2.8〜4.9。撮影距離は通常モードで50センチから、マクロモードでは20センチ(広角)〜30センチ(望遠)からと、あまり強くない。スーパーマクロモードにするとズーム位置がワイド端で固定されるが、3センチまで寄れる。

 つまるところ、極めてオーソドックスな仕様だ。

 ISO感度は64から1600まで用意されていること。高感度の実現にCCDの画素混合機能を使うことで、画像サイズは300万画素相当に制限されるものの、ノイズが少ない高感度画像を得られるという触れ込みだ。

 通常の撮影モードや絞り優先、シャッタースピード優先モード時はISO感度を上げると自動的に画像サイズが小さくなる。シーンモードの時はシーンによって300万画素相当になって高感度対応になるものと、ならないものがある。

 でもISO1600自体は最近珍しくない。重要なのは、そのISO1600のモードをどう活用するかなのだ。

 それがモードダイヤルにある手ブレを示すアイコン、つまり新搭載のブレ軽減機能(ブレ軽減オート)だ。

モードダイヤルをブレ軽減モードにすると、「画質モードが変わりました」と表示され、2048×1536ピクセルになる
ISO感度は1600までセット可能。ただしISO800からは画像サイズが自動的にSQ1(300万画素相当)に落ちる

 このモードにすると自動的に画像サイズが300万画素相当になり、AEのプログラムが通常のプログラムオート時とはガラっと変わる。とにかく高速なシャッタースピードが得られるようにプログラムが働き、明るいところでは積極的に絞りを開いて1/1000秒なんてスピードになるし、暗いところでは積極的にISO感度を上げていって、日陰では昼間でもISO400なんてなるし、暗くなるとISO1000は当たり前、真夜中ではISO2500まで上がることもあったのだ。

 通常のプログラムオートとブレ軽減オートの2種類のプログラムAEを持ち、うまく使い分けることで撮影の幅が広がるというわけである。800万画素デジカメだけれど、普段は300万画素あればいいやって人は、ブレ軽減オートを常用してもいいかもしれない。オリンパスはこれを「Wブレ軽減」と呼んでいる。手ブレと被写体ブレの両方を軽減するという意味だ。

 ここで気になるのはブレ軽減オート時の画質だ。ISO800以上での画質はどのくらいのものなのか。

 これはちょっと難しい。構図や被写体によって全然違ってくる。ノイズ低減のための画像処理をかけているため、うまくノイズが減るケースもあれば、その処理でディテールが破綻しちゃうケースもあるからだ。

 まず同じシーンを比べてみよう。

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