最大の特徴は、やはり2つのデジタルチューナーによるデジタル放送同士、もしくはデジタル放送+地上波デジタル放送の2番組同時録画だ。2つの録画機能は「レコーダー1」「レコーダー2」と区別され、ユーザーはどちらのレコーダー出力を視聴するかを任意に選択できる。この点は東芝のRDシリーズの「W録」対応製品と似ている。
デジタル放送のTS録画×2番組であれば、組み合せにはほとんど制限がない。2つのデジタルチューナーは、それぞれが3メディア対応(地上デジタル/BSデジタル/CS110)であり、またTS録画は放送波のデジタル信号をそのままHDDに記録するだけなので、MPEGエンコーダを使用する必要がないためだ。しかしデジタル放送+地上波アナログ放送の同時録画などには、いくつか制限が生じる。
その理由は、MPEGエンコーダが1つで、「レコーダー1」にのみ接続されているため。つまり、地上波アナログ放送の録画は「レコーダー1」でしか行えないし、デジタル放送をXP/SP/LP/EPモード(MPEG2録画)で録画する場合も同様だ。別の言い方をすれば「レコーダー2」はデジタル放送専用ということになる。
また「レコーダー1」側のMPEGエンコーダを利用する任意の録画モードで等速ダビングを行っている場合でも、「レコーダー2」ではTS録画が実行できる。したがって、「レコーダー2」を積極的に予約録画に利用するようにすれば、予約録画とのバッティングをさほど気にすることなく、DVDへの等速ダビングが可能だ。ハイビジョン録画した番組からの等速ダビングは、理論上放送をXP/SP/LP/EPモードで録画するのと画質は変わらないことになるので、なかなか便利な機能といえそう。
もう1つ特徴的なのが、旧モデルから搭載されていた「TSX」と呼ばれる録画モードだ。録画モードの「TS」と「XP」を掛け合わせた表記だと思うが、デジタル放送をハイビジョン(TSモード)とXPモードの両方で録画し、ダビング時のみXPモードで録画されたデータを利用できる。つまり、ハイビジョン録画と再生、DVDへの高速ダビングを両立する録画モードだ。
高速ダビングが可能なのはXPモードとなるので、基本的にDVDへ約1時間しかダビングできない。しかし、事前に録画番組を分割しておけば、複数のDVDに分けてダビングすることもできる。たとえば2時間の番組を両面DVD-RAMの片面に1時間ずつ高速ダビングできるわけだ。
もちろん、便利な「TSX」にも弱点はある。たとえばHDDの消費量が多く、250GバイトのHDDを内蔵した「DV-DH250W」では約20時間しか録画できない。(地上波デジタル放送をハイビジョン録画した場合は約31時間)。またTSXモードで録画した後に、ハイビジョン録画したぶんだけを残してHDDの空き容量を増やすといったこともできない。その番組をダビングする必要があるかどうか、きちんと判断してから利用しないと、無駄にHDDを消費するだけなのだ。
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