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意外と使える“ハイライト再生”――三菱「DVR-HE50W」レビュー(6/6 ページ)

» 2005年09月27日 13時27分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 操作体系としては「機能ナビ」がメニューとなり、ここからほとんどの機能を呼び出せる。利用頻度の高そうな録画番組一覧はリモコンの「再生リスト」、電子番組表は「番組表」ボタンでダイレクトに呼び出すこともできる。リモコンは、利用頻度の低いであろうボタンを上部カバー内に納めたコンパクトタイプだが、レイアウトは悪くない。高級感はカケラもないといった雰囲気はあるものの、使い勝手は良いと思う。

photo リモコンはコンパクトにまとめられ、上部カバー内にもボタンを備える。カバー内は、主に録画予約時に使うボタンという感じで、配置としては悪くない。高級感はまったく感じないが、このへんは割切っているのだろう

 録画番組の一覧画面は、8番組+フォーカスした番組のサムネイル表示と、松下「DIGA」のリスト形式にも似たタイプ。表示される番組名文字数にも余裕があり、電子番組表からの予約が当たり前になった現在でもとくに不満はない。予約録画時にユーザー指定をすると、ユーザー別の一覧表示、連ドラのように毎日、毎週録画した同名番組をフォルダに保存したように扱うこともできる。本格的なフォルダ管理機能とまではいかないが、大量の録画にも十分耐えうる管理機能だ。

photo 録画番組の一覧は、左右幅を目一杯使う。表示される番組名も十分な文字数で、電子番組表の利用を前提した設計で好感が持てる。番組名の右に見えるグラフのようなマークは「ハイライト再生」、「AT」のマークは「オートカットi」再生が可能であることを示している

 不要シーンの飛ばし見用に「30秒スキップ」「ちょっと戻し」(15秒再生位置を戻す)ボタンも装備。この2つのボタン操作は、10回分までバッファリングしてくれる。したがって、“2分飛ばす”“1分戻す”といった操作も容易だ。バッファリングされることを理解していないと戸惑うかもしれないが、せっかちな人には有用だろう。

 初代の「楽レコ」から搭載されている画質チェック機能もやはり便利。おっかけ再生機能の応用ともいえるが、実際に放送中の番組をリアルタイムで録画、再生し、録画モードを切り替えながら実際にどの程度の画質で録画されるかを事前に確認できる。

photo 左右キー操作だけで録画モードごとに実際に録画された映像が即確認できる。これは結構便利

 全般に動作はキビキビしており、電子番組表からの録画予約などちょっと操作性に癖を感じる部分もあるが、全体に基本は良くできているという印象だ。

実は超ダークホース? 地上波アナログをバシバシ録る人に

 今回は試用機にちょっとしたトラブルがあり、DVDへのダビング機能はチェックすることができなかった。スペックとしては、DVD-Rが最大8倍速、DVD-RWが最大6倍速(いずれもPC表記)となっており、DVD-RAMの再生にも対応する。DVD-R DLには非対応だ。コピーワンス番組のダビングが可能なCPRM対応はDVD-RWのみで、DVD-R DLにも対応していないが、ボリューム層を狙った製品であることを考えれば、さほど問題視する人はいないだろう。DVD-RWが最大6倍速なので、パイオニア「DVR-109」をベースにしたカスタム仕様だと思われる。

 デジタルレコーダーの主戦場がそろそろデジタル放送に向く中、本機は地上波アナログ放送向けとして意欲的な製品といえる。競合メーカーがミドルレンジまでは搭載を渋る傾向があるゴーストリダクションもダブルで搭載しており、実はこの点に大きな魅力を感じる人も多いのではないだろうか。本機はまだ登場したばかりで価格はこなれていないが、少なくともハイエンドに位置する価格帯ではなく、ミドルレンジに位置しているはずだ。

 2番組同時録画が可能ながら、キーワード設定などによる自動録画機能を搭載していない点は残念だが、電子番組表の一覧性も悪くないし、番組検索機能も快適な部類に入る。「オートカットi」はCMカットにも役に立つので、コレクター派にもオススメの製品だ。当面はデジタル放送録画に手を出す気はない、という人には、魅力ぎっしりの「ダークホース」ではないかと思う。

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