撮影した動画や静止画をPCへ取り込むには、ディスクやカードをそのまま持っていくほか、USB接続ももちろん利用可能だ。カメラを「ディスク再生」モードにして接続すれば、PC上にディスクがマウントされる。また、カード内のデータを読み出したい場合は、「カード再生」モードにしたうえで、設定メニューの「USB機能」から「PCコネクト」を選べばいい(プリンタにつなぐ場合は「PictBridge」を選択)。
ただ、USB接続を行う場合、必ずACアダプタをつながなければならない点は不便に感じる。ディスクはともかく、カードモードでの読み出しくらいはバッテリ駆動でもいいのではなかろうか。
また、意外に感じたのは、A/V端子は出力のみとなり、外部入力の録画には対応しなくなった点(実は「NV-GS300/500」でも同様)。実際に利用するかどうかは不明だが、通常の撮影のほかに、そうした用途も見込んでいる人は注意が必要だ。
ほかには、光学10倍のズームを搭載するなど、同社のDVカメラと比較すると、撮影性能は「NV-GS300」とほぼ同等といえる。ただ、価格はむしろ上位機種の「NV-GS500」に近い。この「NV-GS500」では、総画素107万×3の1/4.7型CCDを搭載しており、実際の撮影映像においても、かなり上を行っている。光学ズームも余裕の12倍だ。
それに3CCDの利点を存分に生かしたいなら、DV方式のほうが最適なことは間違いない。「VDR-D300」でも立体感のある映像を見せてくれるが、少しでも動きのあるシーンでは、やはりデータ圧縮により、その特徴が多少なりとも失われてしまう。そのため、3CCDの高画質を見込んで、「VDR-D300」に興味を持ったのであれば、方式はDVD、DVと異なるものの、「NV-GS500」も検討すべきだろう。
もちろん、「直接、DVDに書き込む」という点で、この製品には撮影時/撮影後の使い勝手のよさがある。では、DVDカメラの中で競合する製品はというと、それはソニーの「DCR-DVD505」だろう。実勢価格はやや上になるようだが、その分、サラウンド録音など、ユニークかつ実用的な機能がいくつも搭載されている。しかも、クリアビッドCMOSセンサー搭載により、画質は明らかに向上した。
“実質的な初代モデル”と考えれば、そつのないつくりといえる「VDR-D300」だが、すでにDVDカメラは創成期でも黎明期でもなく、発展期を迎えている。もちろん、3CCDと光学式手ブレ補正も、立派に“松下電器産業ならでは”の機能といえるのだが、次期製品では特に“DVDカメラならでは”という特徴も期待したいものだ。
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