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ポータブルDVDで“ワンセグ”を見る――松下「DVD-LX97」レビュー(3/3 ページ)

» 2006年03月16日 15時03分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 さて、電波状況が良くないとどうなるのか。有楽町にある編集部は“バリ3”だったので、山手線エリアから外れた自宅(目黒区内、半地下)に移動。その結果、受信状況が悪いチャンネルでは、ブロックノイズが発生するなど画像が乱れたり、止まったりすることがわかった。グレーのエンボス調の画面になることもあって、デジタルならではの乱れ方といえる。さらに電波状況が悪くなると「E 220受信圏外です」というエラー表示が出た。

photo エンボス調の画面になることもある

 エラーメッセージには、ほかにもいくつかの種類がある。たとえば「圏外のため、受信できません(E202)」は受信圏外あるいは受信状況が悪いとき。「現在、受信できません。(E203)」は、放送を休止しているか、受信するために必要なデータが取得できていないときに表示される。このほかに「番組データがありません。」もあり、こちらはデータの未取得が原因だ。受信可能な場所にいるときは、数秒から数分後にはデータを受信してくれる。ちょっとわかりにくいが、エラーメッセージが出たからといって圏外とは限らない点は覚えておこう。

photo 「現在、受信できません。(E203)」は、放送を休止しているか、受信するために必要なデータが取得できていないときに表示される

練り込まれたDVD再生

 今回はワンセグ放送をメインのレビューだが、基本性能にも触れておきたい。同機は現在市場にあるポータブルDVDプレーヤーの中でも恐らく1、2を争う多機能なモデルで、再生できるメディアは幅広い。DVDビデオのほか、DVD-R/-R DL/-RW/-RAM/+R/+RW、DVDオーディオ、音楽CD、CD-R/-RW、VCDなどをサポートし、VRモードで記録したDVD-R/-R DL/-RWの再生にも対応する。DVDレコーダーで録画したデジタル放送番組なども楽しめるのは嬉しいポイントだ。

 市販DVDビデオを入れると、ほんの4〜5秒で再生が始まった。ディスクの回転音も非常に小さく、再生中はまったく気にならないレベルだ。液晶画面は明るく、コントラストが強め。映像はたっぷりと色が乗った暖かみのあるもので、つまり赤が強いのだが、このへんは好みが分かれるところかもしれない。またやや粗い印象を受けるのも残念だ。字幕の白抜き文字などがサイズやフォントによって少し見にくい場面があった。

 個人的に気に入ったのは、レスポンスの速さだ。テレビのCM飛ばしに便利な「30秒スキップ」やチャプター移動は、ボタンを押した次の瞬間には画面が変わっているといった具合で、早送りや早戻しもタイムロスはない。前述のメディア認識の速さなども含め、キビキビとした動作が非常に気持ちいい。前モデルのレビューと比較すれば一目瞭然。DVDプレーヤーとしての操作感はかなり向上している。

 このほか、DVD-RやCD-Rに保存したMP3やWMA音楽、JPEG画像、MPEG-4動画も再生可能(HighMAT対応)。SDカードスロットも備えており、デジタルカメラなどで撮影した画像のほか、SDカードに保存したMPEG-4ムービーなども再生できる。画像のサムネイル表示は少しゆっくりとした印象だが、同種のDVDプレーヤーのなかでは高速なほうだ。

 ワンセグ放送について、いくつか難点を挙げてきたが、DVD-LX97の場合はアナログチューナーも搭載しており、基本的にテレビ視聴に関しては問題が少ない。DVDプレーヤーとしての操作性も上々で、ワンセグを純粋に“付加価値”として捉える人なら高めの値付けも納得できる範囲だろう。また車載用DVDプレーヤーとして使うための付属品も充実しており、用途が合う人ならお買い得感も出てくるはずだ。

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