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コラム
» 2006年04月10日 11時00分 公開

小寺信良:「VODでハイビジョン」がもたらす衝撃 (2/3)

[小寺信良,ITmedia]

課題を残すHDコンテンツの手配

 ハイビジョンVOD開始のリリースが出たのが、3月2日。サービスの詳しい内容はリリースを見ていただきたいが、H.264で8Mbps程度にエンコードした1080iのハイビジョン映像を、NTT東西のIPv6網を使って伝送する。音声は2ch/5.1chのAACだ。

 オンデマンドTVの特徴は、1本あたりいくらといった従量課金ではなく、月額固定料金で、コンテンツ見放題という料金体系にある。ハイビジョンコンテンツもサービスを開始するからといって、特別に料金が上がるわけでもなく、これまでどおりの月額料金で視聴できる。ただしSTBは従来のものではハイビジョンに対応できないので、新しいSTBを購入する必要がある。


 世界でまだ誰もやったことがないサービスに関して、様々な面で興味は尽きない。後日、筆者は新サービスについて、オンデマンドTVに取材を行なった。大丈夫だ今度は飲んでない。

 まずはハイビジョンコンテンツの手配の面を、岳崎氏にうかがった。ハイビジョンコンテンツを集めるのは、やはり難しい作業なのだろうか。

岳崎氏: 最初ハイビジョンコンテンツは200本から始めるんですけど、正直今の時点では200本が限界みたいなところがあります。SDコンテンツのラインアップように、数あるものの中から厳選してという感じではなく、集めてみたら200本ぐらいにしかならないんですけど、逆に200という単位になったので、そろそろ行けるかなという感触を持ちました。

――コンテンツホルダーとの契約の中で、ハイビジョンだから難しいということはあるんでしょうか。

岳崎氏: 権利的には違ってる部分はないですね。たまたま元ソースがHDというぐらいのことで。ただソースが問題で、DVD品質というのは結構あるんです。DVD+5.1ch、これも結構ある。でもHD+5.1chがあんまりない。4月から「ハイビジョン先取りキャンペーン」をやるんですけど、ここで最初に出す50本は、全部音声は2chです。そこそこ最近の作品なんですけどね。

――内容的にはどういうタイプのものですか?

岳崎氏: ほとんど映画が中心です。あとドキュメンタリーとかも意外とありますね。ドキュメンタリーと言っても、NHK関連とかナショナルジオグラフィックとかもドキュメンタリーと括っているところはありますけど、もともと環境映像系だったりするのでハイビジョンにフィットするところはあるでしょう。

――今後、ハイビジョンコンテンツの数が問題になるのでは?

岳崎氏: 今後500本ぐらいまでは行けるという目安は立ってきています。これまではレールもなくて電車もないから乗りたくても乗れない、という状況だったと思いますけど、我々がレールを引いて電車作って、乗ってくださいという環境ができたことで、作ってくれるところもあるでしょう。

初めての仕組み作り

 次に技術的に興味のある部分を、谷口氏にうかがってみよう。特にH.264を使ったハイビジョンのエンコードというのは、事業としてやっているところはそうはない。3月31日に東芝のHD DVDが出て、H.246のハイビジョンコンテンツが出たわけだが、インタビューした時点ではまだ発表されていなかった。

――H.264のハイビジョンエンコードというのは、どこかやってくれるところがあるんでしょうか?

谷口氏: いや、エンコードは外にお願いできるところがほとんどないので、自社でやることを想定しています。今先行公開する作品のエンコード中なんですが、ソフトエンコーダで時間をかけてやる、という形です。

――ソフトウェアだと、どれぐらい時間がかかるものなんでしょう?

谷口氏: 1Passでだいたいリアルタイムの30倍ぐらいでしょうか。マルチパスをやればもっと画質は上がるんでしょうが、VODサーバの制約でCBRしか使えないので、うちではマルチパスやるメリットがあんまりないんです。

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