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薄型テレビと相性がいい平面スピーカー?――TDK「Xa-Master」(2/2 ページ)

» 2006年12月06日 02時51分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 同社では、硬質アクリルパネル振動板をGMMエキサイタで駆動する方式を「AAPS」(Advanced Acoustic Panel System)と名付けている。その名の通り、反応応答性が高いフラットパネルスピーカーは、アコースティックサウンドの表現が得意だ。パネル全体を振動させて各周波数の音を出す“分布振動モード”ではバイオリンやアコースティックギターの発音動作に近く、高域のハーモニクス成分を自然に再現できるという。

 チューニングでもこの部分に注力し、アコースティックギターの表現をテーマに調整を進めた。それもスムーズに進んだわけではない。「フラットパネルスピーカーの調整は、分割振動歪みとの戦い。防ぐにはポイントを押さえる必要があるが、マスターチューニングには4年かかった」。

 Xa-Masterでは、フラットパネルは、1.5K〜20KHzという中高域の周波数をカバーする。200Hzまでの中域は下のミッドレンジスピーカーが担当。さらにウーファーを組み合わせて2.1chシステムとした。実際に聴いてみると、確かにアコースティックギターの音は秀逸だ。少し硬質な印象も受けるが、弦が弾かれた後の響き方は、近くでギターを弾いているかのようなリアリティがあった。

photophoto リモコン。音量調整、入力選択にくわえ、低音、高音の調整や疑似サラウンドのオン/オフ、ミュートといった操作が行える(左)ボディデザインも弦楽器がテーマだ。側面や裏側から見るとイメージがなんとなくわかる。サテライトスピーカーのサイズは約180(幅)×643(高さ)×180(奥行き)ミリ、約2.8キロ(1台)。別売のフロアスタンドを組み合わせるとトールボーイ型として利用可能
photophoto ウーファーは13センチ径のバスレフ型ユニットを採用しており、設置場所にあわせて±3dBの範囲で調整できる。アンプ出力は10ワット×2(サテライト)および20ワット×1(ウーファー)。サイズは約159 (幅)×304(高さ)×285(奥行き)ミリ、約5.6キロ

 入力はコンポジットステレオ×2とステレオミニジャック×1。ミニジャックはPCやiPodなどのポータブルプレーヤーを想定したものだ。デジタル入力がないのは残念だが、そのぶん「Xa-Master」の実売想定価格は3万円前後と、比較的、手が出しやすい価格帯に設定されている。これは「薄型テレビを購入したポイントで買える値段」だという。

 「サテライトスピーカーは、37インチテレビに丁度いいサイズ。オプションのスタンドを利用するとトールボーイタイプにもなる。オーディオ用はもちろん、テレビの音を手軽にアップグレードする手段としても活用してほしい」(同氏)。

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