同社では、硬質アクリルパネル振動板をGMMエキサイタで駆動する方式を「AAPS」(Advanced Acoustic Panel System)と名付けている。その名の通り、反応応答性が高いフラットパネルスピーカーは、アコースティックサウンドの表現が得意だ。パネル全体を振動させて各周波数の音を出す“分布振動モード”ではバイオリンやアコースティックギターの発音動作に近く、高域のハーモニクス成分を自然に再現できるという。
チューニングでもこの部分に注力し、アコースティックギターの表現をテーマに調整を進めた。それもスムーズに進んだわけではない。「フラットパネルスピーカーの調整は、分割振動歪みとの戦い。防ぐにはポイントを押さえる必要があるが、マスターチューニングには4年かかった」。
Xa-Masterでは、フラットパネルは、1.5K〜20KHzという中高域の周波数をカバーする。200Hzまでの中域は下のミッドレンジスピーカーが担当。さらにウーファーを組み合わせて2.1chシステムとした。実際に聴いてみると、確かにアコースティックギターの音は秀逸だ。少し硬質な印象も受けるが、弦が弾かれた後の響き方は、近くでギターを弾いているかのようなリアリティがあった。
入力はコンポジットステレオ×2とステレオミニジャック×1。ミニジャックはPCやiPodなどのポータブルプレーヤーを想定したものだ。デジタル入力がないのは残念だが、そのぶん「Xa-Master」の実売想定価格は3万円前後と、比較的、手が出しやすい価格帯に設定されている。これは「薄型テレビを購入したポイントで買える値段」だという。
「サテライトスピーカーは、37インチテレビに丁度いいサイズ。オプションのスタンドを利用するとトールボーイタイプにもなる。オーディオ用はもちろん、テレビの音を手軽にアップグレードする手段としても活用してほしい」(同氏)。
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